本日から、209系の伊豆急譲渡が甲種輸送で行われています。ここでは前例として、訓練機械の甲種輸送を振り返りたいと思います。
なぜ甲種輸送なのか
車籍が無い車両を走らせる方法は色々あります。例えば、線路閉鎖をかけて移動させるとか、他社の列車として走行させるとか、抜け道はあるのですが、様々な状況に対応できて無難なのがJR貨物に頼む方法です。
13年前に訓練機械へ改造された209系
京浜東北線から撤退した209系のうち、2連3本が車籍の無い訓練機械に改造されました。
ウラ37編成は後期車にも関わらず、離脱の第一陣となり、訓練機械に転用されました。
元々209系の房総転用は、比較的直前に決まったと推測されます。というのも、当時は毎年のようにリークをしている著名なサイトがあり、それが伺えたこと、現車の動きが大量の疎開を出す(205系と比べて時間の無駄がある)動きだったことが理由です。
房総転用があっても無くても収まるような計画とされたのか、比較的新しいにも関わらず解体される結果となりました。経年9年ほどで、今時点で言えば埼京線のE233系を解体するようなイメージです。
残る2連2本はウラ19編成を種車としており、これは最終的な転用先から見ると、他線区へ転用される編成、川重製の編成を除いた、一番新しい編成でした。こちらは計画の大枠が固まってから転用先が決められた感があります。
これらの車両は長野総合車両センターで改造され、長野総合車両センターから東大宮、新秋津、逗子へ甲種輸送されました。
逗子のみ、使用箇所と甲種輸送の着駅が異なり、深夜に先述の線路閉鎖をかけて、久里浜まで移動しました。逗子までの甲種輸送はEF210の横須賀線初入線にもなりました。
訓練機械の機器更新
先述の2連3本は、機器更新を行わずに配置されたことから、2018年度~2019年度に機器更新が行われました。
久里浜配置車は入場による単純な機器更新を行いましたが、東大宮配置車、新秋津配置車については、八高川越線向け元ハエ62編成のうちモハ209-3002・モハ208-3002の2両を新たに訓練機械に改造し、編成を振替える形での機器更新が行われました。これにより、首都圏で訓練機械2編成を常時使用した上で、機器更新を短期間で終わらせることが可能となりました。
この際も、久里浜配置車は逗子着発での甲種輸送となり、その先は線路閉鎖の上、移動する姿が目撃されています。
特に帰路は、モーターカーを牽引する形で自走する珍しいシーンとなりました。
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