昨今、JR東日本では、新系列車両が増えており、意外な形式が新系列では無かったり、新系列だったりします。
その中で、改造により新系列車両にされたことが唯一明らかになっているのが205系5000番台ですので、改めてまとめたいと思います。
新系列の位置付け(基礎)
そもそも新系列とは何か、という部分で、JR東日本では、2007年時点で、車両を3つに分類しています。
- 旧形式 - 203系以前の車両
- 新形式 - 205系・211系世代の車両(ほぼDT50/TR235系台車を履いた車両)
- 新系列 - 新保全体系(一部はモニタリング保全体系)が適用される車両(209系・255系以降の車両)
205系5000番台が新系列であるソース
例えば、鉄道ファン2009年7月号(交友社)に、大宮総合車両センターの検査体系を示す中で、新系列車両に「205-5000」と明記されています。
最近では、2019年の労組資料(鍵)に下記の記述があり、ここからも205系5000番台は新系列車両であることが分かります。
・対象車両は、特急ではE653 系、通勤・近郊形では E231 系以降の新系列車両とする。
※205系-5000代,209 系,217 系,E501 系,E127 系,255系,701系は対象外
明示されていませんが、205系5000番台だけ新保全体系だと、検査周期が付随車と異なってしまいますので、「205系5000番台を含む編成」が新系列と考えられます。
そのため、クハ205形、クハ204形などは、新形式として検査を受ける車両と、新系列として検査を受ける車両が併存したことになります。
大宮出場時の状況
205系5000番台を含む編成は、大宮総合車両センターで検査を受けていました。
完全に209系以降と同じ検査ができていたかというと、おそらく異なり、特に指定保全時の台車枠は、大宮出場時に塗装されていました。
指定保全時の台車非解体は、新保全体系で大きく効率化された部分です。205系5000番台は探傷部位が残ったのか、分解検査を行っている雰囲気が最後までありました。
今後の新系列
今後、改造で新系列となる形式はおそらく現れないのではと思います。253系1000番台が一番怪しい立ち位置でしたが、先の労組資料では新系列では無いようです。
E235系のうち山手線向けはモニタリング保全体系へ移行していますが、今のところ「新系列」に代わる名称は付けられていないようで、「新系列」という名前の終末も見通せない状況です。
205系5000番台が新系列だった、新保全体系で検査を受けていたことは、ぜひ記録に留めておきたいです。
コメント
205系1000番台などの先頭車化改造車はどのような扱いを受けているかも気になりますね。
「国鉄型」なはずの205系を通して、新系列として保全を受けるかどうかの違いが何によって決まるのか、推測することはできるのでしょうか・・・?
鉄道ファン2009年7月号にも、2019年の労組資料にも記載が無いので、ほぼ間違いなく新形式ですね。新系列とされたのは、VVVFインバータ化、交流モータ化が大きいのではと思います。
実現しませんでしたが、211系新潟転用計画でもVVVF・新車化との労組資料記述があり、実現していれば後天的に新系列車両化した二つ目の例だったのでしょうね。
253系1000番台は新系列であると勝手に思っていましたが、裏付けは無いようですね。
205系5000番台や211系とよく似た改造メニューですが、編成数が少ない辺りが関わっているのでしょうか。
253系1000番台ですが、個人的には編成数の影響が大きいのかなと。
E261系もモニタリング保全体系に移行する予定は無いとされており(そちらはサンプル数の問題が重畳しそうですが)、苦労して変えても効果が薄い、とかでしょうか。