西武の主力車両である2000系列は淘汰が着々と進行中であり、今月末には2007編成の引退も予告されています。そんな2000系列の現状と今後の予想について、主観を交えながら素人目線で述べていきます。
2000系列の簡単な概要
2000系列は1977年に製造開始された西武初の4扉車です(※1)。
同系列は大まかに1988年までに製造された5次車以前の編成とそれ以降に製造された6次車以降の編成でそれぞれ区別されており、一般的には前者を旧2000系、後者を新2000系とすることが多いようです(公式においても同様の名称を使用しているようです)。
同区分に共通する特徴として、多彩な固定編成が存在することが挙げられます。
2・4・6・8両編成が存在し(※2)、柔軟な編成を組成することが可能で、各駅停車運用から優等運用まで幅広い運用をこなしています。
特に4両及び6両編成は2000系列に多く存在するため、国分寺線や西武園線といった支線区においては大いに重宝されています。
※1 厳密には過去に国鉄からの払い下げ車両である初代401系が存在していましたが、在籍数が極めて少ないことや導入された目的が異なるためここでは除外しています。
※2 旧2000系に4両編成は存在しません。
淘汰が進む2000系列
事故廃車を除外すれば長らく全車両が活躍していましたが、2015年から旧2000系の廃車が開始され、全25編成が存在していた旧2000系も現在は8連1本・6連3本・2連6本の計10本にまで勢力を減らしています。
特に8連については最後となった2007編成の引退が予告されており、消滅が確実視されます。
2021年からは新2000系からも本格的な廃車が発生しており(※3)、22年に入ってからは4連2本が廃車されています。
編集時点では全盛期の8割程度が在籍しており、その殆どを新2000系が占めています。
※3 2016年に新2000系2097編成が廃車されていますが、同編成は特殊な形態が故に廃車されたと思われるためここでは除外しています。
今後の予想
旧2000系
編集時点では8連1本・6連3本・2連6本が在籍しています。このうち最末期に製造された2031・2033・2417・2419編成の計4本は内装を中心とした大規模な更新工事が施工されており、こちらが真っ先に淘汰されることは考えづらいです。
一方、大規模な更新工事を施工していない編成については、今後順次置換えが進行するものと思われます。
6連は運用に対して若干不足気味ではありますが、こちらについては既存の編成を短縮するなどすれば十分事足りそうな印象です。
いずれにせよ、そう遠くないうちに先述した4編成以外は消滅することになりそうです。
新2000系
編集時点では8連20本・6連5本・4連21本・2連8本が在籍しています。
このうち8連9本・6連1本の計10本は大規模更新車であり、これらは今後暫くは安泰と考えてよいと思います。
8連及び6連の大規模更新未施工編成は全編成簡易的な設備更新を受けているため、このグループに関しては次回の全般検査は通りそうな印象です。
一方、4連は簡易更新も含め設備の更新が全く行われていない編成が多数存在しており、こちらは新型車両の導入(後述)により間接的に淘汰されることになりそうです。
しかしながら、4連の中でも後期に製造された編成は検査を出場した編成からパンタグラフをシングルアーム式に交換する動きが確認されており、4連でも編成によって今後の明暗が分かれそうです。
2連については全編成が簡易的な設備更新を施工していますが、8連ほど安泰とは言えない状況です。
4月に入ってから40000系ロング車の構体が確認されており、各社で減便が相次ぐ中、本線系統で最古参となった2000系列の10連運用(8連+2連)を置き換えることは容易に想像がつきます。
仮に10連運用が40000系によって置き換えられた場合、8連は転用先が思い当たる(※4)ものの、2連の転用先はあまり思い当たりません。
現状西武線において4両未満の運用は存在せず、2連+2連の組成でも運用の効率面から考えると現実的ではないことがお分かり頂けるかと思います。
最低限運用に必要な本数は残すと思いますが、全編成が安泰とは考えにくい状況です。
よって、2連及び4連の一部編成は安泰とは言えず新型車両の増備次第では近いうちに消滅する可能性が十分考えられます。
※4 8連は長編成であることからいくつかの転用先が考えられます。
おわりに
編集時点では主力として活躍している2000系列は、編成ごとに今後の明暗が分かれることになると思われ、早期に淘汰される編成と末期まで残る編成でだいぶ差が開くと思われます。
編集時点では事業計画が発表されていないため完全な主観による予測となってしまいましたが、今後公式より今年度の事業計画が発表されると思われますので、その際は内容を更新した上でお届けしようと思います。また、一沿線民として今後も同形式の動向を注目していきたいです。
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