本日、旧新京成電鉄と旧泉北高速鉄道がそれぞれ前者は京成電鉄、後者は南海電気鉄道に吸収合併されました。
今回吸収合併された両社は準大手私鉄でしたが、全国には他にも中小私鉄が大手私鉄系列の子会社・グループ会社となっていたり(京成電鉄と北総鉄道、小田急電鉄と小田急箱根【旧箱根登山鉄道】など)、一体的に運行される例(東急電鉄と横浜高速鉄道など)があります。
先述した会社に限らず、果たして今回の新京成電鉄や泉北高速鉄道のように準大手私鉄や中小私鉄、第三セクターの鉄道会社が大手私鉄に合併される例は今後起こり得るのでしょうか?

京成松戸線が運行開始
本日より、新京成線が京成松戸線になって運行を開始しました。行先表示の部分に種別が入り、ナンバーリングがピンクから青色に変更となっています。車内放送については、日本語の部分が森山真弓氏に変更となったものの英語の放送は従来の新京成の文面に準じて

泉北高速鉄道改め「南海泉北線」運行開始
本日より、旧泉北高速鉄道が南海泉北線として運行を開始しました。なお、それに伴い新・泉北線と従来の南海電気鉄道の区間を乗り継いだ際の初乗り運賃二重払いが撤廃となりました。南海泉北線に変わっても、泉北高速鉄道のマークはそのままである。 pic.
コメント
新京成、泉北高速ともに、もともとそれぞれグループだったから実現しただけであり、しかも歴史的には本来前者は京成が、後者は南海が直営するはずだったものを、開通当時の資金難から別会社にしたという経緯があり、「本来の形がようやく実現した」というだけだと言えます。
しばしば話題になる例としてはJR東がりんかい線、東急が横浜高速鉄道を吸収するという「噂」(「噂」というよりもXや掲示板でたまに上がる昔からあるガセネタに近いですが)はありますが、前者は9割近くを東京都が株を握りJRの出資率は低く、後者も横浜市が筆頭株主であり相鉄など東急以外も出資しているため、両者とも当面は有り得ないでしょう。
直近で高確率で有り得るのは、JR東海が東海交通事業(TKJ)の城北線営業事業を吸収分割(TKJ自体は存続し、駅業務事業は引き続きTKJに委託)するぐらいだと思います。
りんかい線については料金体系がJRと異なっているのが利用促進の上ではハンディキャップとなっているので、上下分離方式による運行のJRへの完全委託をした方が良いのでしょうが、りんかい線が新車を入れてしまったのでしばらくはなさそうですね。
羽田新線からりんかい線経由で京葉線に乗り入れ運用する際の料金問題を解消するには統一するしかないという話もありますね。
京成電鉄のように自社の株主数を増やす必要性が出てきたらあるでしょうね
何の脈絡も無い事業者同士はともかくですが、何かしらの系列だとかで関係がある場合は今後もありそうな気がします。
新京成電鉄は、創業当初から京成電鉄の子会社であり、2022年の完全子会社化を経て、今日、吸収されたわけです。小田急箱根については、創業当初は小田急電鉄の子会社ではありませんでしたが、2003年には完全子会社化されるという同じ流れを経ています。昨年のグループ再編では「箱根登山鉄道」という社名が消え、「小田急」が加えられました。こちらについては近い将来、吸収されてもおかしくはないでしょう。
一方の、北総鉄道、横浜高速鉄道については、泉北高速鉄道のような大手私鉄の子会社化はまだなされていません。それが行われない限り、当分は吸収はないでしょう。
この辺りはひとえに事業戦略次第というところですが、特に京成の場合、近年の新京成の吸収や関鉄の完全子会社化、バス事業の大規模な統合といった交通事業の再編は本業の事業価値を高める原資とすることを名目にオリエンタルランド株の放出を求める海外株主に対する対抗策としての色が強く、他社でここまでドラスティックな変革が求められる状況になることは早々ないかと思われます。