田町駅付近では、羽田空港アクセス線に繋がる分岐部分として、改良工事が施工されています。
また、駅西口の再開発事業に関連してか、ホーム上で鉄骨が組まれており、駅舎が拡大されるようです。
※記事中の画像はタップして拡大できます。
羽田空港アクセス線について
JR東日本が構想する、羽田空港のアクセス鉄道で、宇都宮・高崎・常磐方面など(上野東京ライン)から向かう「東山手ルート」、新木場・東京テレポートなど(りんかい線)から向かう「臨海部ルート」、新宿・渋谷など(りんかい線・埼京線など)から向かう「西山手ルート」の3ルートを検討しています。
そのうち「東山手ルート」は既に着工しています。開業時期は2031年度開業予定です。また、「臨海部ルート」も2031年度の同時開業を目標として、関係各所と協議していることが大手マスコミによって報道されており、決算資料でも検討中であることを明らかにしています(時期には言及せず)。
東山手ルート
事後調査計画書などにより、(1)田町駅周辺の線路を改良し、上野東京ラインから大汐線(現在休止中)に連絡する単線を敷設、(2)東京タ付近を改良し、留置線などを設置、(3)羽田空港駅を1面2線で建設することが明らかになっています。
本数は1日144本、1時間あたり8本が予定されています。
臨海部ルート
新木場ー羽田空港を20分で結びます。日本経済新聞電子版によると、
羽田空港アクセス線を京葉線に直通させるかは「現時点で具体的な検討はしていないが、利便性向上の観点から検討課題と認識している」(JR東)
と記載されています。
また、2021年の東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会の答申では、「都心部・臨海地域地下鉄構想と常磐新線延伸を一体で整備し、常磐新線との直通運転化等を含めた事業計画について、検討が行われることを期待」するとされています。
TX・臨海地下鉄の沿線一部自治体は「つくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄の接続事業化促進期成同盟会」を結成し、TXと臨海地下鉄の接続を要望しています。
西山手ルート
現在の構想では、りんかい線の大井町~品川シーサイド間で分岐し、東京タ付近で合流する形になりますが、詳細はまだ決まっておらず、開業目標時期も公表されていないため、割愛します。
配線の状況と改良工事について
田町駅には以前、浜松町寄りに山手線の引き上げ線がありましたが、2022年に運用が停止され、現在は撤去されています。
引き上げ線跡地を活用する形で、山手線外回りの新しいレールが敷設されています。
敷設されたレールは現行ホームよりも西口に向いています。また、分岐器が確認できます。
さらに、山手線外回りと京浜東北線南行を接続するためにあった分岐器ですが、山手線側が撤去されています。
2024年12月24日、JR東日本は2025年4月19日~20日に線路切換工事を実施すると発表しました。
山手線外回りと京浜東北線南行を同時に切り換えるようです。
分岐器は現在の位置よりも浜松町寄りになります。
19日始発から20日12時頃まで、山手線と京浜東北線の一部区間で運休が発生するため、注意が必要です。予備日は5月17日~18日です。
上野東京ラインからつながるアクセス線は、上下線に挟まれる形で新設されるため、今後も1~2回程度、線路切換工事の実施が見込まれます。
ホームの工事
3番線ホーム(山手線外回り)は9~11号車のホームドアが撤去されています。「線路移設・ホーム改修」のためだと、2024年11月に発表しています。2026年春頃に再び設置されます。
1・4番線(1京浜東北線ホーム)にホームドアは未だに設置されていません。
ホームドア撤去を知らせる掲示の名義は、東京建設プロジェクトマネジメントオフィス(PMO) 機械プロジェクト推進センター、田町駅です。
また、先述した線路切換工事では、ホームも改良されます。ホーム先端は縮小量は最大0.6m。拡大率は最大1.3mで、京浜東北線側が縮小となりますが、全体的にホームは拡大されます。
ホームには仮囲いがあり、鉄骨が組まれています。仮囲いはそれの支柱に見えます。
港区ホームページ「田町駅東口東西自由通路拡幅整備および駅前広場整備について」に添付されている画像を見る限り、自由通路だけでなく、駅舎自体も拡張されそうです。
仮囲いの設置期間は2024年2月14日から2025年7月末までです。掲示の名義は田町駅長、羽田アクセスプロジェクトセンターです。
終わりに
今回は田町駅の改良工事に絞ってレポートしました。
駅西口は都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域に指定され、再開発事業に伴いビルの建設や、地下鉄導線の改善などが実施されます。
参考:https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/tokyoken/tokyotoshisaisei/dai26/shiryou.html
JR東日本は浜松町~大井町を品川広域圏として、重点的に再開発を推進しています。
大井町では最近ホームが拡張されたほか、ゲートウェイ駅開業時は無人コンビニという目玉以外、何もありませんでしたが、今はビルが建ち並び、3月27日のまちびらき(ビル4棟のうち2棟が開業)も目前で、車両基地が広がっていた品川も様変わりしました。
品川駅では2029年度に京急の駅が地平化されます。
アクセス線工事のみならず、品川広域圏の動向も見逃せません。
東京タ付近の改良工事についても現地調査を実施しており、後日、レポートを公開する予定です。
コメント
臨海部ルートと臨海地下鉄(TX延伸)は関連しないトピックであり不自然であると考えます。