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E217系のインドネシア譲渡の可能性について考える

大井公開時のE217系 車両動向
大井公開時のE217系

鉄道趣味が転じて乗り物趣味になりそうです。

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CNNインドネシアの記事から、インドネシアの鉄道会社であるKCI(PT Kereta Commuter Indonesia)が、E217系計348両の取得を申請したことが明らかになりました。
ここでは、本稿執筆時点までに明らかになっている内容をもとに、状況を整理したいと考えます。

KCIとJRの関係

これまでインドネシアに向けては、都営三田線6000系、東京メトロ6000系を始めとする日本の中古車両が譲渡されてきました。
中でも、2013年11月、JR東日本はジャカルタ首都圏鉄道会社(PT KAI Commuter Jabodetabek※当時)への埼京線205系譲渡を発表しましました。

205系インドネシア譲渡について
205系インドネシア譲渡について、JR東日本側から正式発表がありました。発表では、従来通り180両(18編成)の計画だそうですが、車両メンテナンスに関する技術支援を行うそうです。基本的には目立った情報はありませんが、一応、JR東日本(PDF

以後、埼京線を皮切りに、南武線・横浜線・武蔵野線の205系が譲渡されるとともに、JRとKCIの各種技術支援・交流が進み、人口過密が著しいジャカルタ周辺で多くの人々に利用される交通網の一部となっています。

しかし、2018年にインドネシアが「商業大臣規程2018年第118号」を定めたことによって、インドネシアに対して中古設備機械を輸出する(インドネシアが輸入する)にはインドネシア商業省と分野に応じた管轄省庁の許可が必要となりました。(鉄道車両に関しては工業省による)

貿易管理制度 | インドネシア - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ

当然中古車両も例外なく対象となり、国内産業の振興を図りたいインドネシア政府の思惑に加え、新型コロナウイルスの流行下によって、インドネシアへの中古車両輸出は2020年10月以降行われてきませんでした。

ケヨM20編成千葉貨物へ
10/19の01Eで運用離脱したケヨM20編成ですが、10/21、蘇我の貨物駅まで配給輸送されました。牽引機は EF81 140でした。通例ですとこのあと、京葉臨海鉄道での甲種輸送が蘇我の貨物駅〜千葉貨物間であるでしょう。配9723レ 20

「E217系譲渡」という噂の発震機構

大井公開時のE217系

大井公開時のE217系

2020年1月、インドネシアで活躍中の203系が、通常より大きなスカートと各種測定機器、ビデオカメラを装備した状態で試運転している姿が確認されました。


スカート形状は概ね拡幅車体のそれと類似しており、ここから一部では拡幅車体の車両譲渡を視野に入れた動きなのでは?という推測が生まれました。
同時期にJR東日本では、横須賀・総武快速線向けE235系の落成目前の時期で、置き換えに伴うE217系の撤退が見込まれる状況で、JR東日本においてまとまった本数で余剰となる見込みの拡幅車体の車両はE217系のみであったことから、E217系インドネシア譲渡の可能性が生じることとなりました。

そしてCNNが報道、行き交うインドネシア政府内部での思惑

現在では、203系を始めとした高車齢の形式で故障が頻発し、本来12両編成で運行するものを8両に組成し運転するなど苦肉の策がとられています。また、インドネシア国営車両製造会社により開発中の自国生産車両も、その開発の遅れが指摘されるようになりました。
そのような中、CNNインドネシアがKCIによるE217系取得の動きを報じたことで、E217系譲渡という可能性が白日の下に晒されることとなりました。明らかになった事実は「2022年9月13日に、KCIがインドネシア商業省対外通商部に対し、E217系を2023年に120両、翌24年に228両を取得する旨申請」というものでした。

本稿執筆時点までの動向(カッコ内はCNNによる記事の配信日時)

・KCIのE217系取得申請をを希望していたが、工業省が却下(2023/03/02)

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・Luhut Binsar Pandjaitan海事・投資担当調整相、KCIの申請について3日中に討議し一定の結論を出す旨発言(2023/03/03朝)

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・KCIによる申請内容が詳報(既述)

・同海事・投資担当調整相、金融開発監督庁の監督の下に、最低限度の取得を認める旨の発言「"Ya memang harus (mengimpor KRL tahun ini) kita lakukan dalam waktu dekat karena ada 10 rangkaian tersebut," tandas Luhut.」(2023/03/03夜)

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以上が、E217系譲渡説に関する現在までの経緯です。中古車両輸入に対して厳しい姿勢をとるインドネシア政府内で様々な思惑が行き交っており、複雑な情勢となっていることが伺えます。

まとめ

ここまで取り急ぎ状況を整理させていただきましたが、少なくとも現時点でKCIによるE217系取得の申請は認められていません。しかしながら、海事・投資担当調整相の発言を踏まえると、応急措置として車両の緊急取得が認められる可能性があります。国境をまたいだ案件であり、複雑な思惑が行き交う中ではありますが、今後はE217系をはじめとした車両動向だけでなく、現地報道も注視する必要がありそうです。

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