今年3月18日、東急・相鉄新横浜線が開業し、総計8社局※注釈1※による相互直通運転というネットワークが完成しました。相鉄からJR方面の直通を含めると、JRやりんかい線も絡まり、これまでは存在しなかった巨大なネットワークとなりました。
なお、相鉄線への直通にあたって、目黒線車両では編成数を6両から8両への増結、保安装置等対応の改造工事が実施されることになりました。
増結車について
3000系の増備車について、業界紙「R&m」に以下のような記述がありました。
1999年より営業を開始した3000系車両が所属し、導入から20年以上経過したため、部品改廃や製造上の課題等をふまえ、2003年より営業を開始した5080系をベースとした中間車両を新造し、3000系の中間に組み込みました。
誇張すれば、“中身は5080系、番号は3000系” ということになります。3000系に組み込みにあたり、5080系とは多少の差異があるかもしれませんが、5000系列⇄3000系の組み換えが可能であることが、公式な文書でも証明された形になります。なお、6000系は5000系列ベース(2008年ニュースリリース・PDF)であり、Qシートで玉突きとなった2両は、5080系に組み込まれています。
3000系の今後と過去の動向
増結された3000系は、既存車の製造から20年が経過しましたが、いまだに更新は実施されておらず、その予告もされていません。3000系の今後について、➀経年30年前後で廃車、➁更新を実施し継続的に使用、の2つが予測されます。
➀に関しては、増結後、わずか10年前後で廃車されてしまうことになります。新製車は電動車が含まれており、➀他形式編成へ組み込む、➁機器を流用するの2点が考えられます。➁に関して、基本的には既存車のみ更新が実施されると思われます。
もちろん、現時点では、ある程度の計画検討は行われているかも知れませんが、ハッキリとしたことは社内ですら正式に決まっていないのは明白です。ただ、この増結車の今後について、さまざまな憶測・予測を呼びそうで、今後が非常に楽しみな存在となりそうです。
しかし、5080系は最大で20年近くもの車齢の差があり、短くても10年前後です。もちろん、5000系や5050系にもそのような編成は多数あり、3000系同様に更新時期や廃車時期に、組み換えなどの動きが発生するのか、実は陰ながら楽しみな存在となっています。
過去はどうだったのだろうか?
先代の8500系では、それまでの複雑な組み換えにより、編成中に比較的新しい車両と古い車両が混在しており、古い編成に古い車両を、新しい編成に新しい車両へと、組み換えながら廃車が行われた編成がありました。
注釈
※1:ここでは、相模鉄道、東急電鉄、横浜高速鉄道、東京メトロ、都営地下鉄、東武鉄道、西武鉄道、埼玉高速鉄道で8社局を指します。
参考文献
1,一般社団法人日本鉄道車両機械技術協会「R&m」3月号
pp.28~31「相鉄・東急直通線開業に向けた東急電鉄の取り組み」
(著;東急電鉄株式会社 鉄道事業本部 車両部 車両計画課 松野 倫明)
2,東京急行電鉄株式会社ニュースリリース 2008年2月15日付
https://www.tokyu.co.jp/file/080215-1.pdf
2023年3月29日閲覧
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