EH500は甲種輸送時や広島車両所での展示時に、JR東海区間に入線したことがあります。しかしながら、門司~大宮の入出場回送は北陸本線経由で、JR東海区間を避けるような形で実施されています。今までの経緯をまとめます。
屋根上機器を取り外した広島展示
2002年10月27日の広島車両所一般公開で展示を行うため、EH500-901がJR東海区間経由で無動力回送されました。
この際、屋根上機器を取り外しての回送が目撃されています。
つまり、JR東海区間には、車両限界が狭い区間があると推測されます。
EH500 が唯一、東海道本線経由で西下した件。
ムド回送で建築限界をクリアする為、屋上機器を外しての広車入。
検査中の貸し出しで内部の配線も外されていた。
イベント展示に向けて、広車でパンを載せただけでなく、金太郎ステッカーを追加の貼り付けまで行って当時の所長は凄いヤル気あったよね。 pic.twitter.com/tc3K4va45N— ○。○〜○○ (@trunk_line) December 9, 2020
2004年以降、門司への無動力回送が数回(投入へ向けた貸出)ありましたが、北陸本線経由で輸送されています。ですので、この年代までは、屋根上の車両限界を超えるから北陸本線経由で無動力回送される、というのが共通認識だったはずです。(E3系甲種輸送云々があるので屋根上と書きますが…。)
屋根上機器を取り外さなかった甲種輸送
ここから話が面倒になるのですが、2006年度から2010年度にかけて門司向けEH500の甲種輸送がありました。当初は北府中から新鶴見信号場までの甲種輸送で、試運転(一部車両は営業)をJR東日本区間で行ったあと、北陸本線経由で九州へ輸送されていました。
2010年のEH500-70以降は、北府中から北九州貨物ターミナルまで直接甲種輸送されており、この際は、特に屋根上機器の撤去は行わず東海道本線を通過しました。
甲種輸送は東海道本線経由、無動力回送は北陸本線経由になるのはなぜだろう、という話がこの頃はありました。
甲種輸送・特大輸送は、車両限界を超える輸送が行われており、地上側の確認を行っての入線が容易だったのだろう、というのが、この頃の模範解答だったと思います。
甲種輸送が終わって10年…
ここ数年、線路使用料が両数で違う、JR東海とJR貨物が揉めている、という噂を頻繁に見かけます。商業誌でも認否を避けた記述があるようで、もしかすると昨今の主流かもしれません。
とはいえ、先述の通り無動力回送でも入線実績がある上に、北陸本線経由での無動力回送が行われている要因が車両限界であれば、屋根上機器を撤去してまで、JR東海区間を無動力回送する理由がそもそもない状況です。
EH200も入線する理由が無い状況が続いています。
今後の動き
2014年1月の労組資料によれば、JR貨物は将来的なEH200の中央西線投入を希望しています。EF64の車齢を考えれば、置き換えはそう遠くない時期のはずです。
EH200の入線が恒常化したとして、線路使用料を巡る噂は無くなるのでしょうか。それとも噂を噂で補うような事態(2両分払った、とか)になってしまうのでしょうか。
車両限界の話は、少なくとも10年前は主流でしたが、20年近く前の1回の回送をベースとしており、最近知られていない気もします。
ソースが出るのが一番ですが、ソースが出なかったとしても、EF64を5年10年と使うのは現実的ではなく、現車の動向から議論が起こる日が近そうです。
コメント