2025年5月30日に、東京メトロ9000系の中間増結車8両が川崎車両を出場しました。増結対象の編成は1995年~1997年に登場したため、増結すればなんと約30年差の増結という形になります。9000系は2023年度から2027年度までに全7編成を8両化する方針が示されていますが、都営三田線では経年30年前後の既存車に対し8両編成の新製導入・置き換えによって8両化が進められています(今後さらに11編成が新製予定)。
増結車は16000系をベースとしており、9000系既存車とは設計がかなり異なることが特筆されます。なお、増結前の既存車経年が30年のため、10年後には中間増結車の減価償却期間を終えられないタイミングで既存車は車両代替目安となる経年40年を迎えることになります。また、南北線は2030年代に品川駅への延伸が計画されているため、何かしらの動きが出る可能性が考えられます。果たして、ここまで東京メトロが高経年になりつつある9000系の増結を推し進めることは本来合理的なのか・他社からすれば異例とも見える増結を行う理由として考えられるものは何でしょうか?
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コメント
1.南北線を使う人が増えて、6両だととても混雑するから
2.8両と6両が混在していて、停車位置などが違って不便だと思う人がいるから
3.東急目黒線、東急新横浜線と直通していて、東急が2022年4月上旬から列車の8両化をしているのでそれに合わせて南北線も8両にするのでは。ちなみに東急では交通利便性・速達性向上に加え、輸送力増強により快適性の向上を理由に8両化したと書いてあります。https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid%3Dpost_388.html
この記事は南北線・目黒線の車両を8両化する理由ではなく、なぜ高経年になりつつある9000系に8両化を勧めているのか、が焦点かと思います。
当初は品川延伸時をターゲットに新車代替及び8両化を考えていたが原材料及び燃料費等の高騰によって新車8両製造費>サハ2両新造+既存車改造費となった(SRの8両編成1本の新造計画の白紙撤回とも時期がほぼ合致)ため方針転換したという所かと思います。B修メニューの簡略化なども極力改修コストが無駄にならないよう最低限に抑えてる故かと
都営側が新車で8両化を実施している件は既にメディアに都営にはジャッキアップをして車両修繕をできるスペース(志村検査場は上部に団地がありクレーンが入れない)が無く他社(メトロ)のような車両修繕工事は非常に困難であると回答しています
7000.8000のような台車の設計がとても古い、制御電装tisとcbtc非対応と言った問題はなく、東日本で言うところの新系列なのでアルミ構体の寿命50年60年程度まで使いそうです。
vvvfも最新高耐久のsicですし。
南北線の8連化については2019年度の調達予定に増結用中間車とみられる南北線車両30両の記載が存在していたことからも、コロナ禍以前から予定されていた計画が延期や対象数の見直しといった紆余曲折を経て現在に至っていることは間違いありませんし、2025年時点の視点からこうすればよかったなどと論ずるのはあまり適当ではないかもせれませんね。
ただ、そういった要素を無視したとしても、経年30年を迎えた05系にB修やATO対応化が施されるなど全社的に車両の使用年数を延ばしていくような兆しも見られますから、9000系も少なくとも8連化の対象となっている編成については経年50年程度までの使用を前提としていると考えれば、経年30年程度でのB修施工や増結用中間車の新製もそこまで不合理とは言えない頃合いにはなりそうですね。
8両化を推し進める理由は既に書かれている通り、混雑緩和や両数をできるだけ統一することだと思います。品川延長も考えれば尚更です。
経年の著しい差に関しては、他の6両が組み込みに際して大規模修繕を行うので迷うところです。
東京メトロは更新後かなり長く使う印象があり、仮に15年使うのであれば、その時点で編成ごと廃車されても不思議ではないように思います。
気になるのは、編成単位で最新となる2009年製の2編成が、2023年の時点で8両化対象から外されている点ですね。
普通ならこちらから増結を始めるように思いますが。
5次車は4M2Tの既存編成と違って3M3Tなのでモハを作らないといけないのがネックなんでしょう。
7000系・8000系でも増備中間車のみ若い例がありましたが、編成丸ごとで廃車になっています。
7000系の場合はそもそも若い中間車でも経年が30年程度で編成置き換えでしたからまだ理解出来ますが。
8000系初期編成の増備中間車は確か9000系準拠の設計だとどこかで見た記憶があるので、せっかくだからここで活用されればと思いましたけどね。
まぁ車体は9000系準拠でも8000系として産まれてきたので、
本来の9000系に組み込めない理由があったのでしょう。
恐らくは東急側からの要請だと思います。東急・相鉄の全車と、都営車のうちそこそこの規模といえる13編成が8連化されている中、メトロのみわずか1本に留まっているので、緊急時の代走がしづらい、列車毎の混雑が平準化出来ない、と言った点で6両存置に難色を示したものと思われます。
経年差はありますが、将来的に社会情勢変化等で再び6両に戻すにしても、新製車を3M2Tの状態で落成させれば9000系のこの新造サハを流用できるということで、手戻りが無いとして決断したものと思われます(E231系のサハE231形4600番台車みたいな感じですね)。
もともと東京メトロは車両更新をしつつ、耐用年数ギリギリまで使い切って置き換えをする会社なのと、8両化の計画がコロナの影響などもあり遅れてしまったのが、今回の措置を引き起こしたのでしょう。比較的早く置き換えを勧める都営とは経営事情が異なります。
もちろん、今回増備された2両は、サハE235形4600番台のように9000系の置き換え車両が登場した後にも継続使用する前提でしょうね。
9000系については初期編成からリニューアルを進めていることに留意が必要だと思います。
確かに経年だけを見れば30年を過ぎますし、今後40年に達することは目に見えています。
それでも9000系リニューアル車は徹底した工事が行われていると思いますし、最近の車両と遜色ないように行き届いていると思います。
東京メトロ的に今後もしばらくは大事に使っていくという姿勢が現れているのではないでしょうか。だからこそこのタイミングでも8両化を進めて継続使用するのだと思います。
それこそ6000系から8000系でも経年40年使い倒した例があります。
増結した編成は制御装置が最新のものになっていますので、今後20年近く使用する見込みでいるのでしょうね
それなら増結車は修繕なしで廃車に出来ますし
開業時から一挙に、その後は逐次増結・増備した車両がまだ運用中であり今後の取替ペースを平準化するためにも
増結しなかった編成(B修繕後8~10数年で廃車の事例もある ですよね?)を優先的に編成単位で取り替えていく上で
必要な施策なのでしょう
一方で議題から外れる内容として、東京メトロで編成単位での新型車投入が先送りにされる状況となっているので、
東京メトロから設計流用車を製造する前提で運営している埼玉高速鉄道が8連1本投入に関してどのような判断を下すか注目したいですが
そちらは東京メトロに整備委託しているのですから、もうぶっちゃけ9000系B修繕車と同設計の新車を入れれば良いのではと思います
こちらの会社は東京メトロのB修繕に相当する整備メニュー実施すらも明らかになっておらず、何を考えているのかさっぱり分かりませんが
結局のところ車両更新に関して東京メトロからの設計流用を大前提として足並みを揃えざるを得ないわけですから、
見ようによっては東京メトロの足を引っ張っているようにも見えます
ほぼ同期にあたる日比谷線03系が置き換え完遂から既に5年経過していることを考えると路線に対する投資にメリハリがあって面白いですね(笑)
冗談はさておき、結局のところ南北線の収益性の低さから投資に関する優先順位が東京メトロ内でかなり下位に位置しているということが全てではないでしょうか。現在も半蔵門線向け18000系の増備が続いており、投資リソースはそちらに割いているでしょうし、それが終われば今度は東西線の05系(05N系以前の編成)や07系といった9000系と同期かつ既にB修が完了して久しい車両群がいます。今回増結が行われる編成に関しても、中間増結車の減価償却期間が終わるまで、つまり編成としての経年が50年超に達する辺りまで置き換えに関する話が具体化しなかったとしても不思議とは感じません。