209系の転入により、幕張車両センターの房総各線用113系は2009年から2011年にかけて順次廃車となりました。
209系により置き換えられた編成に限ると、全車両が長野へ輸送(一部は長野到着後保存)されましたが、輸送方法だけで3通りあり、一部編成は回送の制約がありました。(以下、事故車の画像があります。)
3通りの輸送方法
当時は北陸新幹線金沢開業前で、現在のえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン、しなの鉄道北しなの線は信越本線でした。長野までの輸送は中央本線経由と信越本線経由があり、後者は配給(越後石山で折り返し)の場合と自力回送(宮内で折り返し)の場合がありました。
- 中央本線経由配給
- 信越本線経由配給(後述の1例のみ)
- 信越本線経由自力回送
ところが、113系リニューアル車(編成番号がSで始まる編成)は、例外なく「信越本線経由自力回送」となっています。
リニューアル車の制約
リニューアルでは、A制御弁のM非常弁化と補助電源装置のSIV化が行われています。
A制御弁の場合、常用ブレーキでも自動ブレーキが使用できますが、M非常弁では非常ブレーキでしか自動ブレーキが使用できません。よって、読替装置なしでの機関車被牽引が不可になります。
一方、自力回送を行う場合はSIVによる誘導障害が懸念されます。113系リニューアル車の廃車回送では、SIVを停止させた上で、MGを搭載した編成から延長給電を行い、併結した状態で上越国境を超えました。
- 中央本線経由配給 → ×(機関車被牽引が不可)
- 信越本線経由配給 → ×(機関車被牽引が不可)
- 信越本線経由自力回送 → △(MG搭載編成から延長給電必須)
リニューアル車同士の廃車回送や、機関車牽引のリニューアル車廃車配給が無かったのは、このような理由です。なお、SIV化はマリ217編成、218編成も行われており、こちらも信越本線経由で自力回送されました。
(ソースとして、廃車回送時の運転台に上越国境でのSIV誘導障害に関する注意書きがあったこと、鉄道ファン1999年6月号の113系S編成改造メニューに「ブレーキ装置の改良(A弁のM非常弁化)」との記述があること、鉄道ファン2010年12月号に「リニューアル編成については、ブレーキ装置の関係で機関車でのけん引が不可能であった」との記述があったこと、が挙げられます。)
特徴のあった動き
2021年10月現在、E217系クラY-104編成が踏切事故に遭遇していますが、113系もマリ212編成が踏切事故に遭遇、こちらは復活することなく廃車配給されています。これが209系投入による唯一の信越本線経由廃車配給でした。
廃車回送中に、津田沼へ引き返した例もあります。マリS224+マリ106編成は、2011年7月28日に津田沼を出発しましたが、新潟・福島豪雨で上越線が寸断され、越後湯沢に足止めとなりました。8月6日に津田沼まで返却、8月30日に改めて廃車回送されました。
コメント
京浜東北線の209系を置換えにE233系(1000番台)を導入して、209系を房総エリアに転用して113系の他、211系も置換えました。
しかし高崎や長野の211系が延命工事をすることを考えると209系よりも211系の方が良かったんじゃないかなとJR東日本側もそう感じるところです。
209系も205系とほとんど変わらず、トイレ改造等もまだな気がします。
すみません。修正があります。
まだな(✕)
無駄な(○)
です。失礼いたしました。