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どうなる?北綾瀬支線の05系

車両動向
北綾瀬支線で運用される05系。05-113Fは1991年製造のため、32年が経過。
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千代田線の北綾瀬支線では、現在支線専用列車として05系の3両編成が運用されています。製造から30年以上・B修繕から10年が経過しますが、今後の動向はどうなるのでしょうか。

北綾瀬支線の05系とは

北綾瀬支線用の05系は、東西線に15000系が導入されたことに伴い置き換えられた05系10両編成のうち、第01・03・06・13編成を3両編成に短縮しB修繕・VVVF化、ワンマン運転対応改造を行なった車両です。元々北綾瀬支線は専用の3両編成のみで営業運転が行われており、05系の導入で6000系試作車(ハイフン車)と5000系が退く形になりました。なお支線たった2駅区間分専用にも関わらず、LCDが付いていたり、VVVFインバータにハイブリットSiC素子を用いているという特徴があります。

北綾瀬支線向けのLCD。

05系に置き換えられ、2014年に引退した5000系。

そんな中、ここ最近になって北綾瀬支線の05系を取り巻く環境が大きく変わっているように感じます

①千代田線10両編成の北綾瀬乗り入れが開始

前述の通り、元々北綾瀬支線は支線専用の3両編成のみで営業運転が行われていました。しかし2019年3月16日のダイヤ改正より、千代田線10両編成の北綾瀬乗り入れが定期営業で開始されました。それに合わせて北綾瀬のホームも10両編成に対応し、北綾瀬支線は営業で3両編成と10両編成が混在する体制になっています。

千代田線北綾瀬駅、2019年3月16日より10両編成乗り入れへ – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)

②丸ノ内線の方南町支線専用車両が廃止

方南町支線用の02系3両編成も、本線用の6両編成に譲る形で全編成が引退しました。

2019年7月5日のダイヤ改正から、同じく支線方式をとっていて3両編成で統一されていた丸ノ内線の方南町支線で、6両編成が方南町まで本格的に乗り入れるようになりました(中野富士見町発着での乗り入れは以前からありました)。その後2022年8月26日のダイヤ改正で、方南町支線専用だった02系3両編成が営業運転を終了、同年11月までに全車が廃車されました。これに伴い、方南町支線は本来本線用である6両編成で統一されました。

方南町支線用02系は来月営業運転終了へ+支線用02系近況 – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)

③本線用10両編成にワンマン運転対応改造

ワンマン運転対応を行った16000系には、車内に防犯カメラが取り付けられています。

2020年より、本線用16000系に対するワンマン運転対応改造が開始されました。追って2021年からは千代田線に乗り入れるE233系2000番台、小田急4000形に対しても同様の改造が始まりました。

東京メトロ16129Fにワンマン対応改造が行われる – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)

2024年度より常磐緩行線でのワンマン運転が開始予定で、千代田線もホームドアの設置状況・連動の様子を見ると、遠くないうちにワンマン化が行われることになりそうです。改造が完了すると、北綾瀬支線含めて千代田線は全列車がワンマン運転対応車両に統一されます。

常磐緩行線2024年度下半期にワンマン運転開始予定 – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)

④ついに運用が削減される。

2023年3月のダイヤからは、所定2運用(96S・98S)だった05系の運用が1運用(96Sのみ)に削減されました。実は現在、予備が実質3本もある状態なのです。

結論

結論からすると、北綾瀬支線用の3両編成は方南町支線専用車両と同様に、近いうちに廃止される可能性が高いと思います。小田急などが保有車の削減を進めている現状もあり、その流れは他社にも来るでしょう。実際、日中の綾瀬駅では綾瀬行の到着で支線の綾瀬発北綾瀬行との直接的な接続を取っている上、その編成は支線の折り返し北綾瀬発綾瀬行として戻ってくるまで綾瀬駅で待避する方法をとっています。日中だけ見ても、綾瀬発着を北綾瀬発着にするだけで置き換えは可能な仕組みになっていて、それ以外の時間では多少のダイヤと運用の変更の必要があると思いますが、実際近年は北綾瀬支線完結の10両列車も登場しています。つまり本線用の車両が全てワンマン運転対応になる以上、3両編成でワンマン運転であることを売りにしていた北綾瀬支線専用列車の存在はもう不要になりつつある気がします。4年前の話ではありますが、参考程度に書店でとある雑誌を読んでいた際に北綾瀬支線に関する欄があり、「北綾瀬支線は将来的に10両編成に統一する予定」との記述があった記憶があります。

仮に05系が余剰となったらどうなる?

B修繕と副都心線対応によりかなり大規模な改造を受けた7000系の運転台。しかし、2022年に全車が引退してしまいました。

05系と同様にB修繕によって大幅に車内印象が変わった8000系の後期更新車。しかし、後期更新車も容赦なく廃車が進んでいます。

最後に、仮に引退し余剰となった05系3両編成の行く末を考察します。まず、05-101Fは保存対象になりうると思います。東京メトロは意図的にある意味のトップナンバー(主に第01編成)を引退後に残す傾向があり、北綾瀬支線でも先代の5000系、6000系ハイフン車が似た理由で保存されていることから、05系も同様となる可能性があるでしょう。なお、日ごろから05系3両編成は新木場車両基地での訓練に使用されており、そちらは継続になるものと思われます。

その他の3編成はどうでしょうか。B修繕で内装や運転台周りが改造されており、解体するにはもったいないように思います。しかし、同時期に更新を受けた02系や8000系、運転台周りを中心に大規模改造を受けた7000系が近年続々と解体されているのを見ると、安心でも無いような気はします。

ただ、3両編成で構成面などの改造が不要で導入できる車両としては、4ドア20M車という制限はあるものの、地方私鉄にとっては最高の出物になる可能性があります。誘導障害やLCDの広告需要などの課題はありますが、未だにVVVF車の自走入線歴が無い秩父鉄道あたりはもしかしたら、候補に挙がるかもしれませんね。

終わりに

今後、常磐緩行線に続き千代田線も完全ワンマン化される可能性が高そうです。いつワンマン化が開始されるのか、05系はいつ動きが出そうなのか、注目となりそうです。

 

今回、02系の画像をこの方からお借りしています。

首都圏かき鉄様(@metotetsu)

コメント

  1. 北綾瀬支線の05系の今後は04系で置き換えでしょうか。

    • 10両編成に統一する予定だと書いてあります。

    • 執筆者の「B修8000」さんが、記事中で、今後3両編成の専用車両は用意せず、10両編成の車両(16000系など)で対応するのではないかと予測しています。

  2. 新木場の訓練センターの訓練車も兼ねているため、少なくとも1本はメトロの手に残り続けると思われます。残る3本につきましては、「3両編成」「狭軌」「機器更新から10年程度」という利点から、他社に引き取り手があるかもしれません。特に大規模な改造を行わない限り編成短縮が難しかった8000系と異なり、既に中小民鉄で手頃な3両編成になっている点は大きな利点です。

  3. 日中は特に問題なさそうですが、代々木上原方面からの綾瀬折り返しがごく少数の平日朝夕とかはどうするのでしょうか?
    05系の運用が減ったのは常磐線側で減便して10両編成を北綾瀬に回せるようになったのも要因としてはありますが、これ以上常磐線を減らすのもまずいでしょうし。

    • 確かに、今後の本数しだいですね。現在のところは東京メトロ線に限らず各社減便傾向にありますが、最近は徐々に旅客数が戻りつつあり、今後再増発の可能性も否定はできません。最終的には、車両運用の効率化と旅客動向を見て、総合的に判断するのでしょう。

    • 綾瀬始発/終着の出/入庫便をすべて営業列車化するぐらいしか、やりようなさそうですね、平日朝夕。そしてこれらのうちの何本かは常磐線乗り入れ便として運行する、と。

  4. 方南町支線を見たら、北綾瀬支線も専用電車が廃止になりそうですね。車両を共通化して、効率良く回して車両を削減した例が同じ会社であるならば、なおさら現実味があるかと思われます。千代田線も、常磐線各駅停車と同時にワンマン化した方が、効率は良いと思います。

  5. 20M車3両編成に対応しておりVVVF車が既に導入されている長野電鉄への譲渡もありえますね。

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