国土交通省は先日「鉄道分野のGXに関する基本的考え方」の案を公表しました。
その中に省エネに向けた目標の案として、主要事業者において2035年度までに非VVVF車・初期のVVVF車(GTO方式)を置き換えることを提言しています。
一方で東武やJR西日本、京阪、近鉄などの事業者では先述の淘汰対象とされている車両が数多く残っており、2035年度までに淘汰できるか疑問の声も聞かれます。
果たして、国交省が提言したことの実現の有無や、それに伴う各事業者の車両動向はどうなるのでしょうか?
国土交通省は先日「鉄道分野のGXに関する基本的考え方」の案を公表しました。
その中に省エネに向けた目標の案として、主要事業者において2035年度までに非VVVF車・初期のVVVF車(GTO方式)を置き換えることを提言しています。
一方で東武やJR西日本、京阪、近鉄などの事業者では先述の淘汰対象とされている車両が数多く残っており、2035年度までに淘汰できるか疑問の声も聞かれます。
果たして、国交省が提言したことの実現の有無や、それに伴う各事業者の車両動向はどうなるのでしょうか?
コメント
強制力もありませんし、根拠法や罰則もありませんのでおそらくスルーされると思います。
そもそもこの目標を提言した研究会にJR全社が参加していることからわかる通り、目標設定については上からの押し付けではなく少なくともJR各社の状況を強く反映されている(実質的な自主宣言)と思われますから、スルーされるようなことはまずあり得ないです。
非VVVF車の2035年までの置き換えは、京成、西武などでは実現できそうですが、2025年現在でも数多くが残っている(例に挙げられているような)東武やJR西、関西私鉄では厳しいものがあるでしょう。製造がほぼ終了しているとはいえ、10年後であっても、抵抗制御などについては部品の枯渇の問題もGTO-VVVFほど深刻化していないかもしれません。
後者の「初期のVVVF車両(GTO)の置き換え」の方が、GTO素子を採用する制御装置の部品の枯渇などの問題により機器更新が進むことも考えられ、達成できる可能性は前者よりも高そうです。
燃える等の深刻なトラブルを起こさなければ努力目標扱いで放置されると思います.
103系の様に.
これからお金の話が始まると思います。JRや大手に分類される私鉄が補助金を受けられるのかが主要な論点になるでしょう
JR西日本については過去のイメージから古い車両が多いような印象を持たれがちですが、こと電車に関しては直近ではUraraの大量増備により今年度末~来年度上半期頃にも国鉄型としては最多勢力である岡山の国鉄型電車はほぼ一掃される見込みであり、対象となる車両のうち定期運用に供される車両としては国鉄型が207両(213系、205系含む)、221系が474両、特急型が84両(防犯カメラ未設置車を除く)の計765両となりますから、コロナ禍の一時期を除けば在来線電車の新車投入ペースが概ね120両/年程度であることを考えれば単純計算でも7年弱あれば置き換えきれる数ですから、並行して非電化線区向けの車両も製作される時期があると仮定して多少余裕を見ても全く問題のない範疇化と思われます。
また、JR各社の中で最も怪しむ声の多いJR九州に関しても、在来線電車の新車投入ペースが直近の実績から概ね30両/年程度であるのに対して、更新予定の811系、813系や置き換えが見込まれる415系の一部、103系を除くと対象となるのは210両程度(883系を含む)となり、直近で新車導入の予定されている2027年度以降の9年間でコンスタントに新車の導入を行えば十分間に合う計算ですから、こちらもあまり大きな問題とはならなさそうです。
上記のような状況に加え、研究会の構成メンバーにJR全社が参加していることを考えると、今回掲げられた目標については主にJR各社の状況を強く反映したものである可能性が高く、基本的にJR各社については余程のことがない限りは無理のない範囲で達成できる目標設定となっていると考えるのが妥当なところでしょうか。
その案によれば
2035年頃には、「主要鉄道事業者」に該当しない小規模ローカル線を運営する会社:たとえば岳南でんしゃ、四日市あすなろう鉄道、銚子電鉄、伊豆箱根鉄道、紀州鉄道あたりから「導入のハードルが高すぎる」との理由で、鉄道事業廃止を選ぶ事業者が多々出てくるかもしれませんね。各社昔っから乗客減り続けていますし、そもそも慈善事業ではないですからね。
(寧ろ、この件で国交相困らしてやろうや?)
わざと突拍子もないことを書いただけだろうとは思いますが、そういう事業者は「2035年度までに非VVVF・GTO-VVVFを淘汰しない」だけでしょう
大手事業者が対象の話で中小事業者には無関係な話との意見もありますが、内容が従来型気動車の製造禁止として作用すると考えられ、非電化私鉄への影響のほうが甚大なものになりそうです。
今後数年、駆け込みで気動車を発注する3セク等が出てくるかもしれません。
三セク各社については徐々に電気式の川車製GreenDECに移行が始まっているほか、これまで三セク向け気動車を多数製作してきた新潟トランシスは不祥事(除雪車の性能試験での不適切行為)やIHIからの売却など会社自体の先行きが不透明な状況ですから、既に三セク向けでさえ液体式気動車の導入はかなり難しい状況となっているのが実情です。
ちなみに”GreenDEC”という名称が初めて公式に登場したのも今年4月に行われたこの研究会の配布資料であるほか、最初の導入事例となる天竜浜名湖鉄道ではそれより前の2023年度末にはGreenDECの導入が決まっていたことからもわかる通り、メーカー側では数年前からこのような動きを見据えた働きかけが水面下で行われているようですので、そういった意味でも今になって新たに心配事が生じることはないかと思われます。
鉄道分野のGXに関する官民研究会(第2回)配布資料
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_fr1_000100.html
【資料3】川崎車両株式会社説明資料
https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001886286.pdf
収益力に大差がある中で、各社の鉄道事業を維持するために、譲受しやすい枠組みを作ったように見えますがいかがでしょうか。