東京メトロ東西線では現在、車両のデジタル無線対応及びATO(自動運転装置)の設置が実施されています。ここでは、下記の編成ノートの記録などから東西線を走る各形式・タイプの改造が実施された時期を整理しておきます。
(編成ノート)東京メトロ – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)
形式名 | 製造年 | B修繕・更新など | 現時点でのおよその経年(B修繕・更新からの経年) | ATOの取り付け時期 | デジタル無線対応の時期 |
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05系ワイドドア車(5本) | 1991年~1992年 | 2012年~2017年 | 32年~33年(7年~12年) | ||
05系6次車(3本) | 1993年 | 2019年~2020年 | 31年(4年~5年) | 2023年9月~同年12月 | ←同時施工 |
05系7次車(3本) | 1994年 | 2023年~2024年(見込) | 30年(0年~) | ||
05系8~10次車(9本) | 1999年~2002年 | 実施予定 | 22年~24年 | 2023年2月~(深川にて実施中) | ←同時施工(深川にて実施中) |
05系11・12次車(6本) | 2002年~2003年 | 19年~20年 | 2020年1月~2021年5月 | ||
05系13次車(4本) | 2004年 | 19年 | 2022年2月~同年12月 | ←同時施工 | |
07系(6本) | 1993年~1994年 | 2018年~2022年 | 29年~31年(2年~6年) | 2021年10月~2022年10月 | ←同時施工 |
15000系(16本) | 2010年~2017年 | 7年~14年 | 2019年9月~2021年11月 | 2021年9月~2022年10月 | |
東葉2000系(11本) | 2004年~2006年 | 17年~19年 | 2022年10月~(八千代にて実施中) | ←同時施工(八千代にて実施中) | |
E231系800番台(7本) | 2003年 | 2023年~2025年頃? | 20年~21年(1年~) | 2023年1月~(秋田にて実施中) | ←同時施工(秋田にて実施中) |
まとめると、
・深川ではATOの設置を15000系と05系11・12次車で先行的に実施
・2021年度から07系、05系13次車のATO設置をデジタル無線対応と同時に施工、同時に15000系もデジタル無線化
・直通先の他社の車両も2022年以降から改造を受けている
・2023年度からはB修繕済み05系6次車と8次車以降にも手が及ぶ
・05系11・12次車は現時点でデジタル無線非対応
ことが分かります。こうなると、デジタル無線対応及びATO関連の改造をまだ一切受けていないのは2024年4月現在、05系ワイドドア車と同系式7次車のみになっています。
05系7次車はB修繕を2023年度以降に受けたばかりであり、同時施工でない理由は気になるものの今後改造を施す可能性は大いに考えられそうです。一方、B修繕から10年前後が経過したワイドドア車に対し、今後これらの改造は実施されるでしょうか?
【参考】
車齢30年近くで更新…メトロ05系B修繕の今後 – Kumoyuni45
(運用数)2023/03/18~:東京メトロ東西線・JR中央総武緩行線・東葉高速線 – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)
(検査出場時期)メトロ:東西線(05系・07系・15000系) 最終出場一覧 – 4号車の5号車寄り (4gousya.net)
コメント
運転席直後の乗降扉幅が15000系と異なる点の評価と最古参車である事実から、改造を行うか否か(否の場合はATOデジタル無線運用開始と同時もしくは待たずに離脱)の判断するにあたり、コロナ禍からの乗客数の戻り具合を注視している可能性はありますね。東西線では木場駅の改良工事もいったん休止となっていますし、それとともに結論が出されるのでしょう。
02系のB修車もアッサリ廃車になりましたし、B修から13年を経過した車輌から置き換えが始まるかもしれませんね(新製からの経年は35年近くなりますし)。
また、現状のままですと運用数に対して余裕があるので、置き換え車両の納車を待たずして一部はそのまま削減されるかもしれません。
推移を見守っていきたいです。
ジャカルタに譲渡でしょうか。
b修繕は床下内装総取替という大掛かりなものなのに7000の後期車を始めとした大多数がわずか13年足らずで廃車になってるのをみると本当に費用対効果があるのでしょうか?
6000系や8000系の20年以上の継続使用をすると言いながら後期修繕車は短命に終わっています。
一連の改良工事が終わった時期の輸送力について、コロナ後の行動変容・人口減を勘案した場合に過剰投資にならないよう、車両についても将来運転方法の見直し(区間運転の開始)で所有車両数を減らしていくものかと見られますね。
現在8~10次車がATO&デジタル無線工事を行っているのでラインが空いていないのと、24年度も取付工事予算が組まれているので、8~10次車の工事が終われば7 or 11、12次車も取付工事がはじまるのでは?
上記次車への取付工事に時間が終わり次第、ATO&デジタル無線の運用開始とワイドドア車の廃車が同タイミングで実施されるかもしれませんね。
古参組ということで、改造が意図的に避けられているような印象は否めないですね。運用数を見た限り、B修などの改造さえ終わってしまえば余剰車が出るので、そのタイミングで引退も考えられるかもしれませんね。
今後東西線に設置されるホームドアですが、既存のタイプとは別の新型のものが設置されると言われています。その新型のホームドアですが、設置の準備工事において設置されると思われる箇所が従来とは異なることから、開口幅が狭まれる可能性が高いとの見方があります。これにより、運用離脱を伴う場合新型ホームドアが設置されるまでに動きが出ることが予想されます。
すなわち、05系ワイドドア車は”ATO運転に対応するか否か”というよりも”新型ホームドアに対応するか否か”という観点で見る必要がありそうです。
現状はあくまでATO運転は手段であり、ホームドア設置が目的(ワンマン運転は最終目標であって、本来は移動等円滑化によるものです)であることを念頭に議論するべきでしょう。
ちなみに新型ホームドアが05系ワイドドア車に対応させないと仮定すると、05系ワイドドア車5本分を所要数の削減か他の車両に代替することになりますが、現状東西線への新型車両の導入を示唆する情報がなく、かといって5本分丸々削減できる状況かと言われるといささか疑問で、新型ホームドアは05系ワイドドア車に対応させる可能性の方が高そうです。
なお、従来とホームドアの設置個所が異なる様子は茅場町駅で目撃されており、A線は今までの幅が広いタイプ、B線は新型タイプと予想されそうです。また、ホームドアの開口幅が途中で変更される事例は東武スカイツリーラインで確認でき、主にホームドアを研究されている方のサイトで、詳しい解説をなされている記事が確認できます。
東西線内は今後もワイドドア対応ホームドアを設置していくか注視していく必要がありますが、直通先の中央・総武線は設置コストが高いと思われるワイドドア対応ではなく、通常タイプのホームドアを設置したい、という意向があることが考えられます。
ワイドドアは05系5本だけでなく、15000系16本の計21本が存在しています。
運用の冗長性を考えた時、東葉車(全11本)以外にもJR非乗り入れ車両を増やしてしまうのがメトロ(全52本)とJR(全7本)の双方にとって得策かどうかを考えた時、東西線運用可能車全70本中32本(45.7%)をJR乗り入れ不可にするのは、異常時の対応を考慮するといささか厳しいかと思われます。
ホームドア設置完了・ATO運用開始時期と、車両の更新時期との兼ね合いがハッキリしないので、改造工事を後回しにしているのでしょうね。更新工事も減価償却期間は13年と思われますので、運用減による用途廃車、もしくは新車への置き換えも視野に入るかもしれません。
05系8次車はB修(SynRMに更新)しますが、東西線は今後、自動運転(GOA2.5)で実施でしょうか。