10年ほど前は、商業誌に車両の転用計画が普通に載っていました。京浜東北線からの209系転属も同じで、鉄道ファン誌2009年9月号に全車両の転用先が掲載されました。
しかしながら輸送計画(今後のダイヤ改正など)に関わる部分は、自治体との交渉や株価などにも関わるため、類推されないような記載方法とされていました。
商業誌の編成表では、ナハ54編成(横須賀線ホーム開業に伴う南武線増発用)の種車であるウラ46編成は、全車両が廃車になるような記載とされていました。
そもそもウラ46編成を転用対象から外すのは経年的に不合理ですし、巷では発売時点で南武線転用の情報が出回っていましたので、上記の理由で伏せられた転用計画と考えられます。
それ以外に1箇所だけ、転用編成表と実際の転用では食い違っている箇所があります。ウラ6編成とウラ7編成の先頭車です。
史実では、ウラ6編成先頭車がマリC431編成に転用、ウラ7編成先頭車は除籍され、脱線復旧訓練設備と研究開発センター設備へ転用されています。
商業誌掲載時点では、ウラ7編成先頭車がマリC431編成に転用される計画となっていました。
本件、理由は不明ですが、計画変更が疑われる状況となっています。
なお、ウラ6編成は川重製、ウラ7編成は東急製で、検査時期は近かったはずです。
元ウラ6編成の先頭車はマリC431編成として2023年現在も営業を続けており、数年での引退が見えてきました。一方、設備に転用された元ウラ7編成の先頭車は長生きしそうな雰囲気です。どちらが幸せだったのか分かりませんが、進路の選択は紙一重だったのかもしれません。
昨今は計画が商業誌に掲載される機会が少なくなり、このような計画変更を見出すことが難しくなっていますが、現在も多数の案の中から、変更を重ねつつ、車両計画を決めているはずです。
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