最近、JR東日本仙台地区等で運用されるE721系のうち2連の殆どの編成で台車に亀裂が見つかるというトラブルが発生しています。
仙台空港鉄道SAT721系を含んだと見られる2連49編成中47編成で亀裂が見つかったという報道もあり、これは大事だと感じます。
既に交換や溶接を済ませ安全性に問題がないとされていますが、殆どの車両でトラブルが発覚したため、特殊な低床構造ということも相まって根本的な構造に問題が無いのか気になるところです。
E721系2両編成タイプ6割超の台車枠に「ひび」
JR東日本東北本部は今月11日、これまでの調査で、E721系2両編成タイプ全49編成中47編成で、台車枠に亀裂があったと発表しました。11月8日までに2編成で台車枠の亀裂が見つかり(報道)、同本部が調査を進めていました。調査対象の全98両の
※トラブルについて取り上げていますが、E721系自体を批判するような意図はございません。
コメント
プレスリリースの通り除雪用のスノープロウの取付部で、構造起因でしょうね。
1000番台以降は取付方法が変わっており、構造的な課題を認識して改良したのでは無いでしょうか。
1000番台製造時点で問題を認識していたならば、このような事になる前に0番台にも改修や交換などの対策が施されそうに思います。
設計現場だと、強度に余裕が無いな、くらいのレベルで設計変更をかけますので、その時点で亀裂が続出するような事態は予見していなかったのではと思います。
一方で、積雪による応力は見積もりが難しいです。走行試験で最大応力を得るとは限らないですし、その年の気候や雪質にも左右されてしまいます。経験的な数字では不足があったのかもしれません。
報道写真を見ると凹角の頂点から亀裂が発生していますから、設計ミスによる疲労破壊でしょうね。
車体の重量を受けている台車枠の途中からではなく、スノープラウを取り付けている箇所の溶接部分に亀裂が入っているので、構造よりも工作に不良があったと考えるのが自然かと思います。
東急製と川重製がありますが、どちらかだけに発生しているのか両方に発生しているのかも気になる所です。6割超との事なので、両方か大多数を占める川重製のみのどちらかになってしまいますが…
川重製は現存39編成なので、47編成ということだと総車(東急)製でも発生していることになりますね。
少なくとも発生した規模からして構造や設計に起因することには間違いないかと思われますが、問題箇所が台車先端のスノープロウなどが取り付けられている箇所の根本の溶接部であることから低床構造(小径車輪)であることが直接の要因であるとは考えにくく、また、台車枠自体の強度にも問題はないと考えるのが自然でしょうか。
2両区分だと他に青い森703系と阿武隈急行AB900形も同一設計ですがこれらの形式も気になりますね…。特に前者は0番台の新製時ワンマン対応編成との経年差が僅か3年ほどである以上今回の直接的原因が経年劣化だった場合同様の事象は十分起こり得るでしょうし。
2両編成49本のうち、両端の先頭車とも先頭台車に問題が無かったのが2本、
両端の先頭車の先頭台車、または片側の先頭台車に問題があったのが47本で64両
すべて両端の先頭車に問題があると仮定すると32本分ですが問題発生全体が47編成とのことなので、47編成のうち30編成は片側の先頭車の先頭台車だけに問題があった計算になります。
スノープロウの脱落による脱線事故を未然に防いだ、と言えるでしょうが、今後も未発生の台車について注意を向けていかないといけないのでしょうね。
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500番台 4本(2006年製)
SAT721系 3本(2006年製)
0番台 42本(2006~2007年・2010年製、震災廃車2本を除く、500番台化1本を含む)
ここまでで49本。
あれ? 青い森703系はどうだったのでしょうか?
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青い森703系 2本(2013年製) ヘッドライト関係の仕様変更
これが計算に入ってないってことはこの時点で台車設計変更になってるのでしょうか? 台車が東急(総車)形式なので良く分かりません。
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1000番台(2016年製) 台車枠設計変更が明らかになっていて、4連であるので今回の調査対象には含まれていない
AB900系(2020年製~製造中)