先日、 JR西日本が、今年度(2024年度)から水素を使用する燃料電池車両開発の具体的な検討を開始したことが公表されました。
車両に関する大きな情報として、
「モーターを制御する主回路システムは電気式気動車と共通化を図り、電気式気動車の燃料電池車両化が行える構成」
が示され、2両編成の車両によるイメージ図が掲載されています。
また関連報道として、燃料電池車両の運行に必要な水素の供給を担う「総合水素ステーション」の整備先については、「兵庫県姫路市」や「岡山県倉敷市から津山市のエリア」と「山口県周南市」が検討先として挙げられています。
2030年代早期の営業運転開始を目指すともあり、車両計画に関連し得る情報が複数明らかとなっていますが、燃料電池車両に関する車両計画はどのように考察できるでしょうか。
JR西が水素を活用した燃料電車を2030年代早期に営業運転開始へ
JR西日本は今日、燃料電池車両の開発において、具体的な検討を2024年度から開始したと発表しました。開発コンセプトでは、燃料電池システムや水素貯蔵システムに汎用性の高いものを採用し、国内外の標準化を想定した仕様や、モーター・主回路は電気式気
コメント
次世代バイオディーゼル燃料の本格導入が2025年度以降にあることや、わざわざ電気式気動車から改造できる設計とすることを考えると、キハ40系辺りの老朽取替が迫る気動車は、燃料電池車両の実用化を待つのではなく、燃料電池車に改造できる電気式気動車を導入することで直接、或いは経年が低い気動車の玉突きなどで置き換えていくのでしょうね。
勿論その電気式気動車は、余程の事態がなければ目処が立ったタイミングで燃料電池車両化するのだと思います。
DEC700をベースとした車両になるのかと思っていましたが、2両とも同じ機器構成とするのではなくそれぞれで役割分担させるのであれば、Smart BESTを発展させた形となりそうですね。
検討先として挙がっている山口県周南市は、化学コンビナートから供給される水素で走る旅客船を運航していた実績もあり、既にサプライチェーンが構築されていることが大きいと考えられます。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/feature/CO050392/20220415-OYTAT50000/
主回路設計をキハ87以来一貫して同社の電気式(ハイブリッド)気動車の主回路設計を担当していた東芝ではなく三菱電機が行うことになったのは意外なところでしょうか。
ただ一方で、燃料電池車のシステム開発については鉄道機器を扱う電機メーカー大手3社のうち日立と東芝はそれぞれ東日本と東海との協業が報じられていたこともあり、それらに遅れを取っていた三菱電機が残る西日本との協業を目指し強く働きかけたと考えるとそこまで不自然でないのかもしれませんが。