連載していく205系600番台登場前後の動きですが、今回はメイン?となる転用計画の推移です(前回記事)。
205系600番台4連12本のうち、10本は元京葉線生え抜きの205系、2本は元埼京線の205系です。ところが、そもそも京葉線生え抜きの205系は10連12本あり、本来であれば京葉線から12本を転属させ、メルヘン顔で統一することができたはずです。
この背景には計画変更があったと考えられます。
(参考)最終的な転用の全体像
転用計画が明らかになるまで
当時のE電界隈には、国電総研さんという伝説?のリークサイトがあり、公式発表の前から転用計画が知られていました。同サイトは2009年、205系の日光線転用をリークしていましたが、翌年の2010年に宇都宮線への転用がリークされました。
京葉車の日光線転用であるが、使用線区は宇都宮線黒磯口ローカルも加え、4連10本程度、6連3本程度が用意される模様
http://www5.airnet.ne.jp/kokuden/soukensp2010.html
そもそも、当時の宇都宮地区107系には6連運用があり、最初の計画では4連10本、6連3本の転用が計画されていたと考えられます。
種車の記載はありませんが、武蔵野線生え抜きの205系8連4本のうち3本を捻出することで、メルヘン顔の205系で4連10本、6連3本を統一することができました。
このリークに沿う形で、2010年7月に京葉線生え抜きの205系10連2本(12本から転用予定10本を除いた余剰の2本)の廃車、2010年7月から翌年1月にかけて、209系500番台3編成の武蔵野線への転用(→武蔵野線生え抜き205系の捻出が可能)が行われました。
京葉線生え抜き205系の4連単位での保管は2010年9月、6連のみの廃車配給は2010年10月から始まることになります。
転用計画の変更
ところが、209系500番台が転入しても、武蔵野線の205系は離脱しません。2010年12月には「しもうさ号」新設、「むさしの号」定期化が行われており、所要が2編成増えています。
当時、商業誌にJR東日本が車両動向を寄稿することがあり、Rail Magazine 2013年6月号に下記の記述がありました。
(2013年3月改正で)武蔵野線では朝通勤時間帯の増発及び平日データイムの運転間隔を12分ヘッドから10分ヘッドに増発を行った。これに伴い、他線区へ転用予定となっていた京葉車両センター所属の205系8輌×1編成を使用し対応することにした。
同誌の図中には、この1編成が「非VVVF車」「H24年度まで保留」と明記されています。つまり、205系武蔵野線生え抜き車のうち1編成は、元々転用(おそらく宇都宮地区)が予定されていて、2013年3月改正を見越した計画変更により転用中止、武蔵野線の増発に回ったことが分かります。(参考までに、ケヨM66編成は2009年に離脱しています。)
まとめると、209系500番台が武蔵野線へ3編成転入したところまでは、宇都宮地区転用を見据えた動きがあったかもしれませんが、この3編成は2010年、2013年の武蔵野線増発で使い切る結果となりました。
穴埋めと顔の混在
2012年9月、公式プレスリリースで205系600番台は4連12本となることが発表されます。
既に10連2本は解体されており、当時E233系7000番台新製投入により余剰となっていた埼京線205系4連2本を転用して賄っています。
この計画変更により2種類の顔が生まれたことになります。
ところで、タイミングが1年ほどズレていたら、205系600番台が登場しない可能性もありました。
次回、205系600番台の身代わり(?)で消えて行った車両の話をしたいです。
コメント
[…] しもうさ号とむさしの号の設定ですが、205系600番台の転用計画にも影響が出たようです。 次回目途でご紹介したいです(→次回記事)。 […]