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なぜE235系は切妻デザインになったのか

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車両技術
E235系の分割された前面ガラス。

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E235系は四角い前面形状が特徴的ですが、この形状は、電車の世話をする上では非常に合理的です。背景をご説明したいと思います。

前面ガラスの価格

突然ですが、前面ガラスの価格はどれくらいでしょうか。大きさもそうですが、車両形式ごとに特注、形式によっては三次元的な形状になっています。当然、非常に高額になります。具体的な価格は、特定企業の話にもなりかねないので書けませんが、1枚で数10万円オーダーとなるのは想像できると思います。
少しでもコストを抑えるため、例えば、HB-E300系は、E233系と同じ形状の前面ガラスを角度を変えて取り付けています。

前面ガラスの交換作業

次に前面ガラスのメンテナンスの話です。人身事故で割れるような状況は容易に想像できるかも思いますが、結構な頻度で交換している部品です。

前面が見えなくなると運休せざるおえないため、亀裂の速報があれば、機動対応する要員が透明なテープを貼りに行くなど、繊細な管理をしている事業者も多いはずです。

突発的に壊れるだけでも大きなストレスですが、交換作業の作業性が悪いことが多く、数日かかることになります。突然数日間も運用離脱されると、車両繰りが大変です

E235系の前面ガラス

一番のポイントは、上下分割式というところだと思います。破損するのは下半分が多いのに対して、上の行先方向幕を含む部分は形状が複雑で、ガラスの価格が上がる原因となります。ここを分割すれば、ガラスは普通の矩形ガラスとなり、割れたときのコストが下げられます。また、作業性も良く、交換時間が短縮できるため、運用上も都合がいいです。
J-TREC技報第3号(2014年12月)に、形式名が伏せられているものの、以下の記述があります。

・要望
前面ガラス交換作業には多くの人員と時間を費やしているため改善できないか(図5).
・改善提言
次期車種にて交換作業性の向上が図られている分割式の前面ガラスの提案が採用される予定である.

この技報が公開された3か月後、E235系が登場することになります。

参考文献

総合車両製作所 技報 第3号(2014年12月)
https://www.j-trec.co.jp/company/070/03/jtr03.pdf(22MB)

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