先日、JR北海道の特急電車導入に向けた資料提供招請について公示されたことで、同社が特急型電車の新製を計画する可能性が高まりました。
現時点で最後に新製投入された特急型電車は2011年の789系0番台サウHE-106編成・サウHE206編成で、十数年以上ぶりの導入になることが見込まれます。
現在の特急型電車の中には新製からの経年が20年〜30年超、重要機器取替工事からも18年〜20年となる785系も在籍していますが、今回新製が見込まれる特急型電車の導入計画はどのようなものになると考えられるでしょうか。

JR北海道、特急電車の新製計画が浮上(785系置き換えか)
JR北海道は本日8日付の公示で、新製特急電車の調達に向けた資料提供について招請しました。一方、同社が希望する両数や納入時期については公示文書では確認できません。これにより、JR北海道の次期特急電車の新製計画が予定されていることが明らかになり

789系札幌運転所編成表(最新版)
現在、5連6本、6連6本、計66両が在籍しています。【「カムイ」「すずらん」向け1000番台】

785系札幌運転所編成表(最新版)
現在、5連2本、計10両が在籍しています。【「すずらん」向け0・100・500番台】※「スーパーカムイ」は2017年3月に運用終了
コメント
先行試作車で785系を置換、量産車で789系を全車置換するのが無駄がないように見えます。uシートやグリーン車の関係でバラバラな車両やサービス格差を統一できますし。
「重要機器取換工事が始まっていないor工事から数年しか経っていない789系を置換えるのは早過ぎる」という意見もありそうですが、785系基本編成が更新後10年で廃車されたことを考えると、789系が2030年~40年に置換えられると仮定→今から新車を開発しても早過ぎないと思います。
新幹線の札幌延伸までもちそうにない車両の置き換えは当然ですが、延伸開業後の室蘭や苫小牧~札幌のすずらん増発へ転用も視野に入れてるでしょう
(北斗が新幹線に置き換えられると、長万部~東室蘭~苫小牧~札幌の特急本数が減ることになるので)
それを考えると、現在の785だけでなく789も最終的には置き換えそうな気がします。
形式は887系?881系?それともH700とか?
新幹線と電車特急の関連はそこまでないと考えます。
また、室蘭本線特急の減便にも懐疑的です。
登別・室蘭方面と函館方面への接続、伊達紋別・洞爺への流動を考えると、多少の減便はあれども、大きく減らすことは考えにくいです。
789系0代の置き換えは視野に入れていると思います。
1000代もまとめて置き換えるかどうかは際どいところかと思います。
0番台と1000番台の製造時期はあまり変わらない(0番台の最終編成は1000番台より後に落成)のと、もし老朽化で置き換えという事であれば纏めて代替するのが好都合かと思われます。
影響するのは置き換えの順番ぐらいなのかなと。
0番台と1000番台では使用環境が異なる(前者は青函トンネルで運用されていた)のと、1000番台に比べて、0番台の故障が目立つ様子なので、0番台は優先的に置き換えられると考えます。
もちろん、1000番台も同時期に置き換える可能性は十分にあり得そうですが。
調べた限りでは、789系の重要部機器取替工事は0番台・1000番台ともに進行中です。
現時点で、0番台はHE-106・HE-206編成を除き工事済、1000番台ではHL-1002・1003編成(および事故廃車となったHL-1005編成)を除いて実施済とされています。
789系0番台「ライラック」の代走に1000番台が入ることは比較的多く見られますが、逆に1000番台「カムイ」の代走に0番台が入ることは稀です。
上記のように、789系の両区分番台で重要部機器取替工事を施工して日が浅い条件と、789系0番台で予備が不足している課題を抱えており、今後数年内に新製されると見込まれる特急車両は、まずは機器世代の刷新や省令対応などに留めた「ライラック」用編成に相当する仕様で、789系に新しい区分番台を設ける形で当座は2本程度が投入されるのが妥当と考えられます。
また、「ライラック」系統における高速化構想があるため、新型車両はその準備として導入される可能性もあります。この場合、形式名としては、キハ261系のように十位に「6」を付与する例に倣い、「761系」などとされるかもしれません。
もっとも、運行時間短縮の試算からは、130km/h超の最高運転速度が必要とされる可能性もあり、そのためには踏切の廃止や連続立体交差化などの大規模なインフラ整備が前提となります。これらは片手で数えられる年数で実現できるものではありません。
この高速化構想の実施は北海道新幹線札幌延伸開業後(2038年頃以降)を想定しているとされ、数年で竣工可能な車両を現時点から設備面も未整備な状態で導入するのは、時期尚早と言わざるを得ません。
2025年9月8日の乗りものニュースの取材記事では、これから設計のための情報収集を開始する新型特急車両について、JR北海道在籍の電車特急車両の全数の「老朽取り替え」つまり785系のみならず、789系0番台・1000番台も対象とされるとのことです。
すすらん系統では設定の必要のなくなったuシート車がそのままの設備で運行されている状況にありますが、必要な本数が2本+予備のため、専属の785系が全て入る日があることを除いて789系1000番台が共通予備で使用されている状態にあります。すずらん系統側の必要本数の絶対数が少ないことと、ライラック/カムイでは主として使用する車両形式を起因として列車名を分けている状況から、いずれかの編成形態に統一されることが予想されます。続報を見守りたいと思います。
またすずらん系統では近年、全車指定席化が実施されていますが、高速バスとの競合から利用低迷が課題となり、2024年6月に「安くご利用というニーズが強いのであれば、特急でなくてもいいと思う」との趣旨の社長発言もなされています。
必要本数の絶対数が少ないことと特急としての存続可否の検討材料があります。
ライラック/カムイでは運行区間が同じで、ライラックのグリーン車では半室設定にもかかわらず空席が目立つこと、カムイでは編成両数の少なさから混雑傾向のある便が見られることから、編成形態については考慮を加える余地があると考えられます。
北海道新幹線の札幌開業後にはリレー特急のような性格を帯びることになりますが、789系0番台編成からそのまま引き続き設定されているライラック系統のグリーン車設定を存続させるか否かについても含めて続報を見守りたいと思います。
*加筆
もともと、781系を「ライラック」、785系を「スーパーホワイトアロー」として区分していたものを、789系導入により、785・789を共通運用にして、スーパーカムイに統一した経緯があります。
0番台の転用により、グリーン車の有無が生じて、再び名称を分けることとなりましたが、再統一ということになるかもしれません。
0番台のグリーン車は、コスト面からモノクラス改造を回避したという見方ができると思いますが、宗谷線・石北線特急の一部短絡による、グリーン車設備の維持という側面もあったように思われます。
しかし、石北線の大雪が特快へ格下げとなり、宗谷線のサロベツもグリーン提供は9席、2往復のうち1往復は閑散期運休という現状なので、これを機にモノクラス化される可能性もありそうな気がします。