JR西日本が運行している氷見線・城端線ですが、同社や県、沿線自治体は存続のため、第三セクターの「あいの風とやま鉄道」へ10年以内に移管することを決定しました。国交省が主導する「再構築協議会」に先駆けた動きです。一方で、芸備線一部区間については、JR西日本が国交省に「再構築協議会」の設置を要望しました。
今後のローカル線の存廃などの動きはどうなるでしょうか。
氷見線・城端線をあい風へ移管(10年以内に引き継ぐ方針)
23日夜開かれた「第3回城端線・氷見線再構築検討会」で、富山県、JR西日本、沿線自治体は、あいの風とやま鉄道(以下、「あい風」)へ移管することで決定したと、複数のメディアが報じました。産経新聞によると、「移管後の両路線の赤字について、県と沿
JR西 芸備線一部区間の「再構築協議会」を国交省に要望
本日、JR西日本は芸備線の備後庄原・備中神代間(68.5km)において「再構築協議会」の設置を国土交通省に要望しました。協議会は、今月1日施行の地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(通称 改正地域公共交通活性化再生法)に基づき、国交省が
コメント
その他のJRや元JRの第三セクターのローカル線の動向についてです。
➀函館本線(函館~長万部):貨物路線としての存続を確認
→負担などは今後決める。
(参考:「函館線(長万部~函館)の鉄道貨物が存続」
➁津軽(津軽二股~三厩):JR側がバスまたは乗合タクシーへの転換を提案
→自治体は、一部廃線には容認。
(参考:JR津軽線一部区間の代替交通転換を青森県今別町が容認)
➂米坂線:JRが復旧を提案
(参考:JR東日本、米坂線の鉄道による復旧の方針を示す)
➂美祢線:費用負担や復旧時期などについて、復旧に向けて、具体的な進展はなし
➃山陰線(長門市~小串):費用負担や復旧時期などについて、復旧に向けて、具体的な進展はなし
災害による被災の有無問わず、利用状況や人口などのデータをよく吟味して、自治体と鉄道事業者などが建設的な話を行い、その地域に見合った交通体系の確認や再構築が行われることに期待したいですね。
迂回貨物を考えると、山陰方面などは復旧して欲しいですね。
鉄道貨物を倍増させるような政府の目標があるにも関わらず、災害対策のスキームを策定しないのは怠慢のように感じます。
山陰線を貨物に絡めて復旧、という意見を述べられた方がいらっしゃいますが、過去の山陰貨物や山陰迂回の実態を知っていると、到底意味があるものとは思えません。
①山陰線絡みでJR化後に定期貨物があったのは、美祢線の厚狭~美祢、山口線、山陰線の湖山~伯耆大山~米子~東松江、江津~岡見~益田だけです。その他は2種免許すらなかったはずなので、設備改良や撤去などではJR西日本の意向のみが反映されています。
②山陰線で災害迂回が実際に行われたのは、阪神大震災の時の尼崎~福知山~米子~(当時の)西岡山と、2~3年ほど前の山陽水害での岡山タ~米子~益田~新山口がありますが、いずれも1日1往復(阪神大震災の時は別途車扱列車も運転)、コキ6~7両、迂回経路だけで丸1日の所要時間というほぼ実績作りだけのものでした。山陽線はコキ20~26両編成の列車が1日およそ25往復あります。
③したがって、BCPを考えるならそれなりの設備に増強するだけでなく、DD51無き今迂回に使える機関車を別途用意する必要(詳細は伯備線代替機の話題で触れました)もあれば、JR貨物の乗務員(現状ではもはやJR西日本への運転士委託は考えられない)の養成も必要です(②の時は促成でも1カ月弱かかっている。経験者が残っていた東日本大震災の時の磐越西線でも10日程度)。
ですので、BCPと言うはたやすいものの、JRは貨物であれ西日本であれそんな経営余力はありません。本当にBCPも踏まえて政府が10年でモーダルシフト倍増をやる気があるなら、実用に耐えうる設備を山陰線全線だけでなく、陰陽横断線区も何カ所かは整備の上で維持策(法整備と恒久的予算措置)まで考えねばならないかと考えます。
ちなみに、旧信越本線(しな鉄・トキめき)の北長野~直江津間はJR貨物の2種免許が維持され、今年は実際に石油迂回列車の訓練運転も行われました(単機は毎年やってたような)。ここはもともとそれなりの設備もあれば、JR化後も一部区間では定期貨物があったこと、また貨物鉄道による石油輸送は長野県民の生命線でもあるため、第3セクター化時に最初から迂回線区の位置づけとして協定を結んでいたかと思います。こういう実例も踏まえたうえで、この場でも実際的な議論を行えるとよいのですが。
函館本線の長万部~小樽(山線)は廃止が決定していますが、バスの運転手不足の問題もあり、第三セクター設立による鉄道存続の意見も大きくなっているようです。
しかし倶知安町は鉄道早期廃止を求めるなど、沿線自治体の足並みがそろわない状況で、複数の自治体をまたぐローカル線の存廃議論が一筋縄ではいかないことを感じさせられます。
北海道の鉄道網のあり方は基礎自治体任せではなく、やはり道庁が積極的に関与するべきかと思うのですが、高橋前知事のころから、鉄道に関しては知らぬ存ぜぬを決め込んでいる気がして仕方ありません。おまけに鈴木現知事が夕張市長時代、石勝支線を「攻めの廃線」と称して整備した代替バス網が、特に札幌直行便の廃止など昨今のバス事業者の苦境で早くも崩壊しているのにその反省もなく、余市~小樽の鉄路存続の議論も封じられたままです。日高線でも物理的に廃線が不可避になってからも、基礎自治体の意見の調整を積極的に行った節は無いようですし。
これは別に北海道に限った話ではなく、日田彦山線のBRT化も県境を越えた各自治体の調整に時間を要してますし、日本一の閑散線芸備線新見口も前途多難です。「必殺徐行」と揶揄されるダイヤで形だけ走らせてもそこにはツッコミがなく、上下分離での施設整備もやる気がなくただ「残せ」とだけは口出しする基礎自治体が、交通網だけでなく自らの街のあり方まで考えて、将来に向けた自分たちの存続の可否まで含めた検討をしないことには、地方交付税とふるさと納税でいくらお金を継ぎ込んでも、地域の生産性はおろか交通網を含めたインフラ等の持続性すらおぼつかないのではないかと。
元々平行路線の存続に対して第三セクター移管を要望していたのは余市町ぐらいで、あとの自治体はバス転換を支持していた所がほとんどだった記憶です。
仮に第三セクターへ移管するにしてもせいぜい小樽~余市間ぐらいで、それ以外はやはり自治体の負担が大きい以上どのみち鉄路を残す選択肢はないと思いますね。
受け売りの情報で申し訳ないですが、余市~長万部においてもバス運転手の確保ができず、鉄道でないと需要を捌ききれないのではないかという話もあります。
仮に鉄道で残す場合、沿線自治体の負担を減らすため北海道庁が資金を出すべきでしょうが、道庁はバス転換の一点張りで、鉄道の存続は選択肢にないという考え方を貫いているそうです。
基礎自治体がいくら努力しても、都道府県が動かないと意味がありません。今後はさらに都道府県単位でのローカル線と周辺自治体に対しての対応が重要になってくるでしょうね。そのことを道庁が分かっているのか、疑問です。
北海道の鉄道網のあり方は基礎自治体任せではなく、やはり道庁が積極的に関与するべきかと思うのですが、高橋前知事のころから、鉄道に関しては知らぬ存ぜぬを決め込んでいる気がして仕方ありません。おまけに鈴木現知事が夕張市長時代、石勝支線を「攻めの廃線」と称して整備した代替バス網が、特に札幌直行便の廃止など昨今のバス事業者の苦境で早くも崩壊しているのにその反省もなく、余市~小樽の鉄路存続の議論も封じられたままです。日高線でも物理的に廃線が不可避になってからも、基礎自治体の意見の調整を積極的に行った節は無いようですし。
これは別に北海道に限った話ではなく、日田彦山線のBRT化も県境を越えた各自治体の調整に時間を要してますし、日本一の閑散線芸備線新見口も前途多難です。「必殺徐行」と揶揄されるダイヤで形だけ走らせてもそこにはツッコミがなく、上下分離での施設整備もやる気がなくただ「残せ」とだけは口出しする基礎自治体が、交通網だけでなく自らの街のあり方まで考えて、将来に向けた自分たちの存続の可否まで含めた検討をしないことには、地方交付税とふるさと納税でいくらお金を継ぎ込んでも、地域の生産性はおろか交通網を含めたインフラ等の持続性すらおぼつかないのではないかと。