E233系やE131系の新製によって既存車両を置き換えた南武線と相模線。
当初は新製による置き換え計画が浮上しておらず、史実では常磐快速線や武蔵野線、八高・川越線に転用された中央・総武線向けのE231系や209系500番台を南武線や相模線、八高・川越線向けとして転用する計画が国電総研によって世に発信されていました。
また、中央・総武線向けにE233系を新製する計画を当時山手線で運用されていたE231系500番台を転用する計画に変更したとも発信しています。
一連の計画ではE231系0番台の一部が三鷹残留となる関係で各線区の車両置き換えに要する編成数が不足することが見込まれ、三鷹区とは別の線区から編成を転出させることが半ば必須な状況でしたが、E235系の登場までに転出の動きがみられないまま2013年に南武線向けE233系の投入を公表。
まず南武線向けE231系0番台が幻の形式となり、相模線への転出が行われないまま中央・総武線からの転出が終了。相模線向け209系500番台も幻の形式となったのでした。
参考コンテンツ
E235系投入と玉突き転配
E235系の新製計画と今までの経緯【車両取替中長期計画・ベストプラクティス】2002年1月に登場、2005年春までに11両編成52本が投入されたE231系
コメント
確か元々は三鷹車両セのE231系0番台を南武線へ、209系500番台を相模線へ、南武線に転用後も残るE231系0番台は八高・川越線へ…という計画だったかと思います。しかしながら大量のサハと一部のモハユニットの廃車配給輸送の問題や、東京オリンピックに向けて山手線車両を一新したいという方針から、計画が変更となったようです。
前提として、「山手線へのE235系導入」と「E231系500番台の中央総武緩行線転出」、そして「不足を補うための一部E231系0番台の6M4T化と残留」は、転出先に南武線や相模線が含まれていた時点でも固まっていたことが読み取れるので、この部分は史実と変わらない動きが想定されていたと思います。
その後の動きは、武蔵野線が新製に変わり、代わって南武線と相模線が転用になるだけで成立しそうでしたが、一部E231系0番台の常磐快速線転出(マト118,119)や209系500番台の京葉線残留(ケヨ34)などによって、片手で数え切れる範囲内で車両供給が噛み合わないようです。
209系500番台と(元)中央総武緩行線E231系の全てが捻出できれば、南武線・相模線・八高線川越線を209系500番台とE231系で固められた計算なので、この齟齬は計画時点でどのように対応するつもりだったのか気になるところです。
史実動向基準で推定されるこの齟齬こそが、転用計画変更のきっかけになったか、あるいは計画変更した結果可能にできた動きなのかもしれませんね。
国電総研なるサイトの信ぴょう性はともかく、相模線については、もともと205系の新製投入路線でしたから、横浜線と同様に新車での一斉置き換えの方が効率的なので最初からそういう計画だったように思います。205系と209系の置き換えを主任務としたE233系が路線ごとに番台区分を変えて一斉投入されていましたからね。
一方、E233系以降の冗長化・6M4T化・ホームドアに対応するために、総武緩行線に残る4M6TのE209-500やE231-0を組み替える必要があり、それが山手線へのE235系投入による玉突き転属によって実施されたということでしょう。
個人的には南武線向けE233系投入の判断がいつ行われたのかが気になる点ですね。
2013年から2014年にかけて埼京線や横浜線で運用されていた205系0番台がインドネシアへ譲渡されていますから、引き続き界磁添加励磁制御を採用している通勤型電車を大規模に譲渡すると仮定した場合、該当する車両を大量に捻出できる線区が南武線のみとなっている状況でした。
しかし、南武線にE231系を転用する計画がまだ残っていたと仮定した場合、2014年時点では南武線から205系を捻出することが不可能となります。南武線向けE233系投入の理由に205系の捻出があったのだと思います。
当初新製計画がなく、一転して新製が行われた先例にあたるのが京浜東北・根岸線向けのE233系ですが、南武線向けE233系の投入も事情は違えど同様だったのかもしれませんね。
https://4gousya.net/jr_e/4462.php
この話が最初に出た2008年の計画だと京葉線E233系は投入本数が25本で武蔵野線も後にE233系を入れる計画だったので元京浜東北線組の209系500番台5本も一緒に転用対象だったと思われます。
当時総武線にいたE231系47本(B1〜42,57,80〜82,901)と209系12本+京浜東北線組の5本の64本で南武線35本と相模線12本と八高線11本と総武線残留6本の振り分けだったと思われます。
しかし理由は不明ですが途中でE233系が武蔵野線から南武線に変わり武蔵野線に209系が残る他置き換えに必要な編成数が武蔵野線の方が多いため不足が発生してしまい、この分の不足分は相模線を新製(後のE131系)にすることで補うという形だったと思われます。
>国電総研なるサイトはもともとリークサイトとして名を馳せており
JR東日本の中の人による内部情報漏洩だったんでしょう。
国電総研なるサイトはもともとリークサイトとして名を馳せており、大筋で正しい将来の車両計画の方向性を情報弱者に提示してきたサイトです。それがあったし、JR東日本の当時の中の人も「趣味の対象として」計画情報を扱うことにやぶさかでなかった故月刊誌にも詳細な記事が出稿され、この「4号車の5号車寄り」サイトでもかなり詳細にその経緯を扱うことが出来たと言った影響を受けています。
リーク情報源の特定という目的で詳細を違えた情報を各所に与えていた可能性は当然あります。南武線と相模線への転用というのは、乱暴に表現すれば国鉄時代から行われてきた車両計画の残影を援用したものだとずっと思っています。
それが「一見」覆って新車投入になったのは、205系の投入順について既に国鉄時代に山手線・京阪神緩行線の後に総武中央緩行線に投入する計画を持っていたことが明らかになっていたようですが、それがJR化直後の横浜線への205系新車投入という形で方向性の変化が兆候として表れており、そのまま踏襲された形になっただけです。結果論から言えばですが。
まぁ、言葉が何度も被りますが国鉄時代から黒字路線として横浜線が知られていたところなので、「何で中古車両が多いんだろうな」という疑問は当時から抱いていました。
細かい理由については本職が語る(語れるかどうか微妙な理由が一部あるかも知れませんが)ところでしょうから、想像で述べるのは差し控えます。
今の民営会社になってから新車でがっつりと置き換えされたことのないJR東日本の路線(運転系統)がまだ残っていますが、そろそろコンプリートして欲しいと思っています。
追伸:議題では南武線と相模線について述べられていますが、私は横浜線について述べています。車両計画の方向性という観点ですのでご了承ください。
相模線や南武線への転用の計画がとん挫した理由として、ほかの人が言及しているような転用車両の不足のほかに、史実の計画に比べてコストが増えてしまうということもあるかもしれません。武蔵野線をE233で統一した場合、新製車両数が大きく増えるだけでなく、E231の付随車はほぼ廃棄になるでしょうから解体費用も増大していたことでしょう。