東急電鉄は、2022年度までに田園都市線に2020系などを投入し、8500系を初めとした同路線の旧型車両を置き換えました。
今後は、大井町線での更新が計画されているほか、池上線・多摩川線の1000系の置き換えも時間の問題と見られます。
そんな東急電鉄の最新の車両などに関する計画を整理していきます。
今年度の計画について
詳細は後述しますが、2022年1月時点の旅客運賃上限変更申請のパブリックコメント実施にための参考資料において今後数年間の設備投資計画が掲載されており、それによると、今年度に新型車両を30両を導入する予定でしたが、今年度の設備投資計画には「老朽化の進む大井町線の9000系、9020系車両の更新に向けた車両新造に着手」としか記載されておらず、移動等円滑化取組計画書が12月6日時点で公表していないことも踏まえ、本当に今年度に新型車両が導入するかはハッキリしていませんでした。
一方で、業界誌の「鉄道車両工業」には、「2023年度は、東武鉄道、西武鉄道、京王電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄、京成電鉄、相模鉄道で新形式車両を含む更新により110両が生産される予定」との記述がありました。
次の画像のように、東武鉄道は12両(N100系2編成)、西武鉄道が40両(40000系4編成)、京王電鉄が10両(5000系1編成)、京浜急行電鉄が14両(1000形2編成)、京成電鉄が8両(3100形1編成)、相模鉄道が16両(21000系2編成)が計画されていることが明らかになっており、一部では導入が完了しているため、余る最大10両が東急電鉄が導入する両数と見られます。
以前の計画・現在の計画を考察
2022年1月時点では、今年度(2023年度)に30両、2024年度に30両、2025年度に32両が計画されており、内訳は5両編成が17本、7両編成が1本との見方が有力でした。
先述したように、現段階で分かっている情報から、東急電鉄が今年度10両の新製へ計画の変更を行われ、大井町線の新型車両が2編成が新製されると考えるのが自然です。
今後の計画して決まっている、大きなトピックを書き起こすと、
(1) 9000系・9020系の撤退(西武鉄道譲渡関連も含む)
(2) 田園都市線CBTC導入(2028年度予定)
(3) 大井町線CBTC導入(2031年度予定)
が挙げられます。
まとめと見解
本稿で、今年度に東急電鉄は大井町線向けの新型車両が2編成新製されると考察しました。年内にも鶴見線向けのE131系が全て落成する見込みで、年明けはE233系・E235系グリーン車のほか、しなの鉄道SR1系3編成6両や京王電鉄5000系1編成、静岡鉄道A3000系1編成2両の新製が予定されており、東急電鉄向けに10両を製造する能力は十分に確保できるのではないかと思います。
参考文献
*1 各社、有価証券報告書移動等円滑化取組計画書及び報告書、設備投資計画、報道発表資料(ニュースリリース)、旅客運賃上限変更関連資料
*2 一般社団法人 日本鉄道車輌工業会 企画部「鉄道車両の生産動態と需要予測」『鉄道車両工業』508号,2023年10月,p.16~34
コメント
東急大井町線用新車は10000系で7両編成でしょうか。
東急電鉄の移動等円滑化取組計画書(2023年度)が最近公開されましたが、大井町線向けの新型車両については、設備投資計画通りの記述となっていました(具体的な両数等の記載なし)。尚、発行日は6月30日付になっています。
https://www.tokyu.co.jp/railway/service/barrier_free/archive/pdf/plan2023.pdf
以下抜粋
・新型車両の導入(大井町線)
大井町線9000系、9020系の更新に向け、車両新造に着手 する。(2023年度)
なおこれらの車両については、「移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準」に適合するものである。