9/22に公開された名鉄の安全報告書にて「5000系機器の更新」という記載が見られました。
同形式は1000系の機器を流用した界磁チョッパ制御となっています。
近年は補助電源装置が従来のDC-DCコンバータから静止形インバータ(SIV)へ換装される事例もありますが、安全報告書の記載が示す「5000系機器の更新」の内容はどのようになるのでしょうか?

名鉄安全報告書が公開(5000系機器更新)
9月22日に名古屋鉄道の安全報告書が公開されました。「5000系機器の更新」と記載があり、5000系の機器更新が明らかとなりました。3500系の内装・機器更新の記載もあります。その他、9500系、9100系の新製については既報の通りです。L

名鉄5014Fの補助電源装置がSIVに更新
本日、舞木検査場にて名鉄5000系5014Fの補助電源装置が、DCDCコンバータからSIV(静止型インバータ)に更新されたことが確認されています。2025年1月7日舞木検査場9509F デキ303 9107F 2006F 3704F岐阜側2
コメント
機器更新は主回路機器に限った話ではないですから、触れている通り実際確認されているSIV化がそれにあたるんだろうと思います。
尤も、先日の非VVVF>O-VVVF淘汰の話を踏まえると、どこかで主回路のVVVF化も実行する方が合理的には思いますが。
2024年度に実施した内容として記載されていることからも、補助電源装置のSIV化がそれに該当すると考える以外にはなさそうですね。
インバータクーラーによるきめ細やかな空調制御を目的に、1990年前後に補助電源装置として採用例が目立ったDC-DCコンバータですが、一時の流行で終わってしまったこともあり既に各社部品調達に難儀しているようですから、名鉄においてもそのような理由で補助電源装置の更新に踏み切った形でしょうか。
名鉄では1000/1200系でもDC-DCコンバータが採用されていますが、こちらはリニューアル時の想定(更新後15年程度の使用)からすると車両自体の残寿命がそれほど長くないとみられますから、こちらについては更新の対象とせず最悪は5000系の更新による発生品で食い繋ぐ形になりそうですね。
既に更新出場目撃情報のあるSIVの更新でしょう。
主電動機や制御装置などはまだ1000/1200系で現役ですし、予備部品が尽きない限りは継続使用と思われますが、これは予想になりますが、100系に廃車が出た際にその廃車発生品の主電動機・VVVF装置(モ120形・140形搭載の新しい方のもの)を使い回す可能性はあると思います。
要するに3Rへの編入改造はしないという事ですね。
また2035年問題がありますが、10年以内に全国の5000両近い車両を総取り換えするのは数社を除き財政的に厳しく、(国としては1円も出したくないと思うので)強制力を持つ法律制定時に確実に補償問題で揉める事からあくまで目標に留まる可能性が高い事、今度の総裁選次第では国交省含め行政機関から公明党が手を引く可能性があるので「取り消す可能性大いにあり」という期待込みで小規模の更新に留める方針とした可能性もあります。
このまま2035が実行された場合名鉄にしては珍しく「小規模とはいえ更新後10年未満で全廃」というもったいない事となるので。
鉄道分野におけるDX推進についてそもそもの趣旨をまるで理解できていない点や、施工時期から昨今の政治事情とはどう足掻いても絡ませようがないという点は置いておくとして、名鉄では過去の実績からも基本的に機器流用車は機器経年をベースに置き換えタイミングを合わせる形となっていますから、流用元と同形式である1000/1200系が2030年前後での置き換えが見込まれる以上、5000系についてもそれと近い時期での置き換えが想定されている(大規模更新はそもそも想定していない)と考えるのが自然ですね。
その上で、DC-DCコンバータの部品供給状況から向こう10年程度の現状維持が困難なことが明らかである以上、予備品確保も兼ねて比較的後期に置き換えを予定しているグループ(≒5000系)に対して補助電源系の交流化を施した…というストーリー以上のものを考える余地は全くないと言っても良いでしょう。
名鉄の新5000系も今後は機器更新工事が施工されますが、制御装置はVVVFに、パンタはシングルアームに、ブレーキも電気指令式に交換される、と自分は予想しています。
電気指令式でなければ、3300系や9500系などとは連結できません。