当初、京葉線E233系は25編成(貫通21・分割4)導入される計画であることが公表されていました。しかし実際には10両貫通編成が20編成しか導入されず、導入数が24編成に止まったまま現在に至っています。
元々の25編成という数はE331系を除く当時の既存車両系列(201系・205系・209系)を全て置き換えられた数で、結果的に209系500番台1編成(ケヨ34編成)が長期的に残る遠因となっています。
同編成は現在も京葉線で活躍していますが、異系列が残ることが不合理なのは言うまでもないはずで、そのきっかけとなった当時のE233系5000番台削減はなぜだったのか、気になるところです。
◆京葉線に最新型電車を導入
https://www.jreast.co.jp/press/2009/20090904.pdf
◆鉄道ファン2010年12月号|特集:現役国鉄形2011|目次|鉄道ファン・railf.jp
https://railf.jp/japan_railfan_magazine/2010/596/
京葉線の世代交代
京葉線へのE233系5000番台の投入と、それによる209系、205系、201系の動向をまとめています。
京葉線 他 編成表(最新版)
京葉線 などの編成表を公開しています。【運用数・編成数】両数内訳 注現況運用編成10京葉線・内房線・外房線京葉車セ 209系 1本 京葉車セ E233系 20
コメント
一部ファンの間で「常套手段」と揶揄される、「意図的に旧形式車を1編成だけ残し、次の改正で運用ごと削除する」を実施しようとしたものの、逆に増発が必要となったためにそのまま残留させている、といったところかと思われます。尤も、現在のダイヤでは運用数の見直しによりE233系にも若干の余裕がある状況ですので、このままずっと残留はおろか、「武蔵野線を増発する」「八高・川越線を増発する」とでもならない限り、転用されることなく廃車となってしまう可能性もゼロではないと思われます。
京葉線E233系の導入時期はリーマンショックの影響が車両計画に反映され出す頃で、実際当時のJR東日本でも総合車両製作所の発足までは車両新製数を抑えるような動きが見られたようなので、情勢を踏まえて車両新製数を抑える為に京葉線のE233系が削減されたのではと思います。
とはいえ、「209系500番台の残留」や「E331系の本格運用」を当初から見込んでいた可能性は合理性や車両状況との乖離から考え難いので、おそらく当時は「1編成の削減までであれば京葉線E233系統一が見込めた」という状況だったと考えています。
1編成の削減を経た上で京葉線E233系統一を実現する為には、「10両編成の運用数の削減」か「他線区のE233系10両編成の転入」となりますが、前者はE233系導入後の京葉線運用数が年単位で維持されていたことから考え難い一方、後者に関しては、当時東北縦貫線(上野東京ライン)の開業に向けた動きが進んでおり、開業後はE233系で統一された京浜東北線に余裕が発生する見込みであったこと、実際に開業時のダイヤ改正で運用数が1運用程度削減されていたことから、「京浜東北線のE233系10両編成が1編成余剰となる見込みがあり、これを京葉線に転用する想定だった」と個人的には考えています。
実際は京浜東北線E233系のうちウラ177編成が脱線事故を起こして使用不能となってしまったので、これによって京浜東北線から1編成京葉線へ転用することができなくなってしまったが為に、209系500番台ケヨ34編成が長期間残留している、と考えれば、史実動向の不合理性を説明できるように思っています。
ウラ177の事故の直後、「事故車の補充が必要では?」と掲示板で問い掛けたところ、「運用に余裕があるので問題ない」と回答してきた方がいました。
つまり事故が起こった時点で余裕があった訳で、事故が起こったが故に京葉線に転用できなくなったというのは事の因果を取り違えている話に聞こえます。
がっちがちに車両需給を詰めた後で川越線の踏切事故でMG付きのモハ204がやられてしまい、廃車期にあった201系を京葉線に転用・武蔵野線の増発対応で2本投入して凌いだといった事がありましたが、そういった不慮の事故等で編成が使用不能になる状況を見越して余裕を持たせてあると言えることで、京浜東北線から京葉線へのE233系の転用計画があったのなら事故発生に関係なく既に実行されていないと話がおかしいです。
時刻表から運用数減が読み取れた報告があるのは上野東京ライン開業時のダイヤ改正のタイミングで、他にも同じような報告が多数あるのですが、そのような一定の根拠あるレポートよりも、自由な書き込みができる掲示板において行った問いかけへの返答の方が確度が高いと判断した理由が非常に興味深いので、ご教示頂きたいです。
https://4gousya.net/forums/post/3%e6%9c%88%e6%94%b9%e6%ad%a3%e3%81%a7%e4%ba%ac%e6%b5%9c%e6%9d%b1%e5%8c%97%e7%b7%9a%e3%81%ae%e9%81%8b%e7%94%a8%e6%95%b0%e6%b8%9b%e5%b0%91
同一の車両センターで武蔵野線の209-500を検修していて、運転士所属区の受け持ち車種も少し多い程度なので、置き換える理由が希薄なように思います。32年プラスアルファの使用、事故廃車か運用増がなければ京葉線に残留になるのではないでしょうか。
私はE331系の試作結果が良好に推移する前提でE233系貫通編成の製造本数を削減したと認識させられていました。
しかしE331系で問題が生じ、調査のため車両メーカーに入場させたものの、結局は改良を断念して廃車とし、武蔵野線に本来転出予定だった209系500番台1本がそのまま残留となった経緯です。
このE331系の試作要素は連接構造とDDMですが、生じた問題についても当時趣味界で語られていましたがどう言われていたか忘れてしまいました。乗降ドアの開閉不良、車体剛性の問題とか言われてたかな? れっきとした情報源とは思えず通説と受け取っていました。
2022年度に開催された京葉車両センターの一般公開(事前予約制)で私が職員に尋ねたところ「東日本大震災の影響でE233系5000番台の製造が1本分キャンセルされた。」との回答が得られました。
209系500番台については京葉線向けの他に武蔵野線向けが同車両センターに所属していますが、車両形式は同様であるものの走行線区が異なり、運用面で支障が生じる場面が存在するのか尋ねたところ、「車両の運用には車両センターだけではなく、様々な部署が関わっており、1本のみが残留する209系に対して異なる対応が求められる場面がある。」との旨の回答が得られました。
E233系に統一することで、何らかの対応が共通化できるという利点はありそうです。
また、パンタグラフのスリ板の材質が異なる(武蔵野線向けは貨物線区に使用されるもの、京葉線向けは旅客線区に使用されるもの)等、外観だけでは判別がしづらい差異も存在するようで、保守面からも異なる対応が求められている可能性が否定できないと思われます。
E331系の本格運用や他線区のE233系転入も尋ねましたが、判然とした回答は得られませんでした。
補足ですが、E331が計画された頃はまだ混雑緩和が当面の課題となっていた時期で、連接車体(車体長14m台)となることで車体幅の拡大が可能となり混雑緩和に繋がるとのことから、山手線に連接車を導入したいとする構想が出たこともあったと記憶しています。
もしE331系に問題が生じなかったら純粋な量産車は山手線に導入されていたでしょうし(または山手線云々というのはそもそもE331系先行車を製造させるための方便であったかも知れないですが)、そのような展開になったと仮定してもE331系の先行車は京葉線に残存したことでしょう。
103系の超多段抵抗制御試作車が最後まで山手線に残った103系2本のうちの1本(もう1本はあの東中野事故で廃車になった、山手線向けの103系量産冷房車の1本目)になるかのように、廃車時期まで京葉線で過ごしたことでしょう。仮定の話です。
その京葉線での存在が209系500番代に成り代わったというだけの話です。
209系500番代は一部が京葉線用で使われた後は武蔵野線用にすべて集結すると登場言われていたのが反故になった理由はE331系の運用断念しか考えられないです。それが混在の理由です。
皆さまの考察を総合すると、
・当初計画はE331系以外の分25本の置き換えであった。
・東日本大震災発生による財政的影響により新造計画が1編成減となった。
・減少した1編成については京浜東北線からの編入の可能性があった(実際に検討したかは不明)が、川崎事故廃車によって実現に至らなかったのではないか。
・結果209系が1編成残っているが、武蔵野線に209系がいるので整備上の制約は小さい。
・コロナ後の運用減で今は209系を引退させても足りている状況。
って感じですかね。
E331系の関与に執着しているコメンテーターがいらっしゃいますが、E331系はあくまで2010年度まで営業を行いながら試験を行うという名目の導入であった上、技術開発部の車両技術者の意向が強く反映された車両であったが為に、ドア位置の違いにより整列乗車が乱されるリスクから土休日運用を強いられるなど、現場の実態とは合わない車両になってしまったことが書籍で明らかにされるほどの車両でした。
その上で不調が頻発し、鉄道ファンから無職と揶揄されるほどの稼働率でしたから、そんな車両が安定していたE233系を削った上で所要編成数の頭数に含める想定があった、というのは残念ながら考えにくいでしょうね。
E331系があのようになってしまったからケヨ34が残存してる説を断固否定してる方もおられますが、いわゆるコンティンジェンシープランとしてケヨ34を残す案があり、結果として残っているのも十分考えれると思います。
京葉線の運用数はケヨ34込みで予備がようやく2本となる状況が2022年改正の減便まで続いていたので、コンティンジェンシープラン以前に新たな車両投入や減便がない限り残さなければならない車両でした。
減便後はともかく、その前からコンティンジェンシープランによる残留なのでは、という考察は、E233が予定通り25本導入されていたり、E331が残留して平常的に運用されているという状況の上でケヨ34が残っている場合は言えたと思います。
そもそもE331は試作車かつ運用限定編成なので常時使用編成にカウントされてませんでした。
もし京葉線残留分の209系廃車決定したと仮定し、その代替を転属で賄うとしたら、中央快速線グリーン車組込対象外編成のE233系0番台を1編成持って行くのではないかと思いますね。
T71編成はE233系0番台の最終増備車に位置付けられてますが、確かその編成はグリーン車組込対象外の編成だった筈ですし(他に209系1000番台が2本在籍しているが、これは機器更新を行ってないことを鑑みるに廃車になる公算が大でしょう)。
従ってケヨ34編成の代替は豊田のT71編成を京葉に転属させるのではないかと読んでますね。
中央線のT71編成が新製されてから4年経過しているが、現在も同線で使われています。
ただ中央線からE233系の余り編成(H49・T71)が京葉線転属などの噂が出てます。
H49はドアステッカー撤去などがあることから京葉線に転属し ケヨ34を置き換えるつもりでしょう。 そうすれば京葉線にホームドアの設置が可能にはなりそうです。
単純にケヨ34を”置き換える”のであれば、既に減便により予備がダブついているため置き換え用の車両を転入させる必要がなく、また、京葉車両センターには武蔵野線用としても209系の配置が少なくない数あることを考えると、数年内にケヨ34を置き換える必要があるかは非常に疑問ですね。
ただ、現状長編成ワンマン化やTASC搭載が実施されている車両はE231系以降のTIMS世代の車両に限られていますから、それらに関連して武蔵野線用も含めた209系が近隣他線区へと転用される可能性は考えられそうですが。