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車両更新に対する考え方の変遷①2000年頃の考え方を追う

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車両動向

鉄道趣味が転じて乗り物趣味になりそうです。

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こんにちは。先日、JR東日本(以下「JRE」とします。)の決算説明会において、「車両取替周期の精査」と銘打たれた、車両の運用や機器更新時の改造内容、保有車両数の見直しや新規技術の導入などによる、「転用改造コストの抑制」に主軸が置かれた方針が打ち出されました。
JREの新系列電車の第一世代とも言える209系(901系)世代は、「寿命半分」「価格半分」というコンセプトで開発されたことが知られています。しかし、先述の通り現在では車両の長寿命化を目指すことが示唆されるに至りました。
そこで、JREの鉄道車両に対する考え方を追うことで、どのような変遷を辿り、その考え方に至ったのか考察したいと思います。
初回となる今回は、2000年頃の考え方を辿ります。

2000年当時の考え方

2000年当時の考え方として、「ゼロエミッション」という考え方が代表されます。
「ゼロエミッション」とは、環境に対して悪影響を及ぼさないエンジン、モーター、システム及びそのエネルギー源のことで、鉄道においては走行に関わる電力の省力化や、製造時に必要な資源の節約(特に、車体製造には莫大なエネルギーが必要)などが挙げられます。
当時JREが保有していた車両数は約1万両、その中において車両の輸送力の適正化を図る必要がある一方、単年度ごとの車両に対する投資は小さくする必要があります。したがって、車両を新造する際だけでなく廃車時にも、環境への負荷や費用面といった事項に配慮する必要があります。
そこで、JREは「廃車しやすい車両」の導入を一つの解決策として見い出しました。
廃車が容易である、というのは、車体のリサイクルがしやすいことや、減価償却期間が短いこと、償却に伴うコストが低減されていることなどであり、老朽化に伴う保守コストと廃車に伴うコスト(新車投入コストを含む)を考慮した際に、より廃車しやすくすることが目的でした。

考察

JREが廃車のしやすさを追求するに至ったのは、VVVF・SIVや保安装置・サービス機器における新技術が登場し始めたことや、JRE発足後の国鉄時代の車両をリニューアルするという方針によって、車両の保守費用が増大してきたことが関係していると考えます。
つまり、新型車両を投入したいと考え始めた一方、旧世代の車両の保守費用が大きくなっていたため、どうせ新造するのであれば、その新車は廃車しやすくしよう(保守費用を抑えよう)ということだったのではないでしょうか。
そのため打ち出されたのが「寿命半分」「価格半分」であり、老朽化に伴う保守コストを低減するための「寿命半分」、新造コストを低減するための「価格半分」だったのではないかと考えます。

おわりに・次回

次回は、同時期のJR西日本の体質改善工事に対する考え方を辿ることを予定しています。
年代ごとの様々な考え方を辿ることで、現在の考え方に至るまでの経緯を深堀りしたいと思います。

参考文献・引用元

鉄道ピクトリアル2000年2月号(通算400号)「鉄道車両のライフサイクル」より(JR東日本・運輸車両部車両課担当課長・副課長の寄稿)

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