4月26日、京成が関鉄を完全子会社化することが発表されました。
京成電鉄は2022年に新京成電鉄も完全子会社化していますが、同社は2025年に京成電鉄に吸収合併予定となっています。
果たして今回京成電鉄の完全子会社となる関東鉄道は新京成電鉄のように将来的に吸収合併されるようなことはあるのでしょうか?
京成電鉄が関東鉄道を完全子会社化へ
本日発表のプレスリリースより、京成電鉄が関東鉄道を完全子会社化する株式交換を契約したことが明らかになりました。効力発効は9月1日です。京成電鉄は2019年にTOB(株式公開買付)により関東鉄道を連結子会社としていましたが、今回新京成電鉄に続
京成電鉄が新京成電鉄を吸収合併
京成電鉄は、本日、子会社の新京成電鉄を再来年(2025年)4月に吸収合併することを同日に開催した取締役会で決議したと発表しました。返信:同日付で、京成電鉄より適時開示情報として「完全子会社(新京成… 2023/10/31 16:05(1..
コメント
今後、合併なしでしょうか。
エリアの違いからグループ内競合の心配はない反面、TXとの複雑な関係やコロナ禍後の不調気味を考慮して経営の安定化を促すべく完全子会社化を決断したと思われます。京成としては茨城エリアの足がかりとして価値がありますし。
新京成と違い、路線が繋がっておらず完全独立の運用体系なので、吸収合併するメリットはあまり無いのでは?
吸収合併の可能性ですか…
云われてみますと、京成関鉄とも、貸切バス:高速路線バスの続行便に充当されている事例が東京駅でも頻繁に見られたものですが:これらの車体塗色に、その前兆はでていたように思います。なので鉄道事業でというよりむしろ、バス事業から先にメスが入りそうな気がしています。
完全子会社化までの経緯は新京成と同様ですが、新京成と異なり関東鉄道は京成電鉄と鉄道での接点がないこと、規格(電化有無・軌間など)が大幅に違うことから車両・機器類の共通化など事実上ほぼ不可能であるため吸収合併のメリットは薄く感じます。
元は海外の物言う株主達にあれこれ言われたく無いから。
と言うのが発端です。
というのも、京成電鉄が保有しているオリエンタルランド株の方が京成電鉄の時価総額を超えているので、京成電鉄を買収した方が安上がりという状態です。
なので買収防衛策として関東鉄道株100株に対して京成電鉄株33株を渡す事で完全子会社化します。
関東鉄道の株主達を強制的に京成電鉄の株主にさせるのが今回の買収劇の結末です。
それによって海外ファンドの議決権比率が下がり、個人株主が増える事で買収が難しく成ります。
マネーゲームのおまけで鉄道路線が付いてきただけ…
おまけをどう処するかはこれから考えるのでしょう。
関東鉄道はただのおまけ
少なくとも鉄道事業に関しては吸収合併のメリットはありませんが、バス事業に関しては特に高速路線を中心に京成系の事業者に移管もしくは新設子会社への分社化(既存京成系事業者との再編含む)が行われる可能性は否定できないところでしょうか。
資本をコンパクトにし総資本回転率を向上させることで、身軽な企業グループ体質の向上を目指す意思なのでしょう。
関鉄の完全子会社化は賛成ですが、そろそろ駅ナンバリングの導入やICカード全国相互利用サービスも実施していただきたいです。
もしかすると将来的な持株会社化を見越した動きかもしれません。
具体的には現京成電鉄の法人を「京成ホールディングス」とし、その下に(新法人としての)京成電鉄、関東鉄道、バス各社、不動産事業各社などをぶら下げる形に、と。
京成電鉄はインバウンド需要を満たすため茨城県をテリトリーとする関東鉄道のバス事業に関心があり、関東鉄道は喫緊の課題として人材確保に関心があります。
従来、京成電鉄は関東鉄道に資本参加し役員を2名送り込んでいましたが、関東鉄道の他の株主との関係性から、必ずしも資本参加の効果が得られているとは言い難い状況が続いていました。
簡易株式交換を行って子会社化されてもなお、関東鉄道側は既に策定した事業計画を保ちたいと表明し、京成電鉄側はそれを(当面は、となるでしょうが)尊重すると応答した。
といった旨が資料に書かれています。
本題ですが、他の(バス)事業者の傾向を見るに、それぞれの社の営業地域が大きく異なることから、吸収合併まではしないでしょう。よしんば吸収合併までして従業員の待遇面まで同一に出来るかと言えばそれはまた別問題ですし、疑問です。
諸々の京成電鉄の流儀(具体的に何なのかまでは知りません)が徐々に敷衍されていくであろうことは間違いないでしょう。
関東鉄道のバス部門は、鉄道より売上が多いのでは?
参考までに、関東鉄道株式会社の第152期(2022/4/1-2023/3/31) 有価証券報告書を検索してみました。その中に、サービスごとの情報というものがあり、
外部顧客への営業収益 (単位:千円)
鉄道 2,184,827
バス 7,202,679
という数字が記載されています。バスのほうが3.3倍の売り上げですね。ちなみに、セグメント情報というのもあり、その中のセグメント利益(=儲け)を見てみると、
セグメント利益又はセグメント損失(△) (単位:千円)
運輸業 157,436
不動産業 483,939
運輸業(鉄道・バス・タクシー)の3倍も不動産業(貸ビル・貸店舗など)で稼いでます。ということなので、2024年3月期でどのくらい運輸業が回復しているかではありますが、基本的に屋台骨は不動産業なのではないかと思われます(有報には運輸業に次ぐ第2の柱との記載があります)。ちなみに運輸業の従業員は833人で、不動産業は10人だそうです(臨時は除く)。う〜ん、一人当たり利益を考えたくありませんね。
水戸京成百貨店の雇調金不正受給事件もあり、京成本社として茨城エリアのガバナンス強化が必要と判断し関鉄を完全子会社にすることにしたのかもしれません。